仏像、ときどきワンダー観光

おもに仏像のこと。不思議スポットやふつうの観光の話もたまにします

【拝観ガイド】仏像拝観が楽しくなる第一歩 - 気になったことを一つだけ調べると扉が開くかも

仏像拝観を楽しむコツのようなもの

仏像の本が並んでいる

いつの間にか増えていく仏像本

最初は全然わからなかった

お寺の雰囲気は好きだったものの、正直、仏像には興味がありませんでした。

なぜかというと、よくわからないから。

「〇〇観音」とかお名前の立札はあっても、じゃあその〇〇観音はどういう観音さまなのか、どういう経緯で造られたのか、まで詳しく説明されていることは稀ですよね。

拝観受付時にいただくパンフレットやしおりには書いてあることが多いのですが、仏教用語連発だったり、旧字体が混ざっていたりで、なかなかピンとこない。
お堂が暗くて読めないこともあるし。

となると、「すごいんだろうけど、私にはよくわからないや、仏像」で終わってしまいそうになります。

それはちょっともったいないかも、と仏像の恩恵にあずかっている私は思ったりします。

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気になったことを一つだけ調べてみると扉が開くかも

たとえば、私のケースを申し上げますと。

東大寺の大仏殿で広目天(こうもくてん)立像を初めて見たとき、その迫力に圧倒されつつ、
「なんで筆と巻物持ってるの??」
と思ったんですね。
(仏像といったら、大仏さまのポーズ(印相)くらいしか知らなかった)

こういった疑問が出てきたら、チャンスです。

「広目天」で検索してみてもいいし、読みやすそうな仏像本があれば買ってみられることをおすすめします。

(一応、疑問の答えを先に記しておくと、広目天は広く見通せる目を持っていて、その目で見たすべてのことを巻物に書きつけています。だから筆と巻物を持っていることが多いです>>>【基礎知識】四天王とは? - 東西南北に立ち仏教を守る四人(神)組 

私もその時点では「広目天」の読み方すらわからないレベルだったので、帰りにホテル近くの本屋さんで、ハンドブックを購入しました(奈良の観光地エリアの本屋さんは仏像本が充実しています)。

 

 

とはいえ……仏教用語に慣れていないので、ハンドブックを読んでもなんとなく程度にしかわからなかったです。

それでも、「あの仏像すごかったよなー」と思いながら暮らしていると、自然と本屋さんで仏像コーナーに寄ってしまったりするんですね(で、買ってしまう)。
手持無沙汰なときにインターネット上の記事をいくつか読んでみたりとか。

「調べるぞ!」という気合を入れなくても、自然と情報が集まってきて、いつのまにかなんとなく理解している、みたいな感じでした。

逆に、「きちんと調べなくちゃ!!」と思っていたら、ここまで詳しくならなかっただろうな、とも思います。

「気軽に」がポイントかもしれません。

調べ始めると、どんどん派生していく

広目天について理解すると、「じゃあ、大仏殿にいらしたもう一体のお像はどなた?」というふうに、興味がどんどん移っていきました。

広目天から四天王を知り、じゃあ、四天王がお守りしていたのは? という感じで、如来や観音にも興味が広がっていきました。

そして、ある程度知識が増えてくると、「一旦整理したい」気持ちになり、こうしてブログに仏像の解説記事を書くようになりました。

専門用語を使うとやっぱりわかりづらいので、一旦自分なりに租借して、できるだけ自分の言葉で(※)書くようにしています。

(※本質からずれないように気をつけてはいるつもりではありますが、専門家の方からすると「ちょっとニュアンス違うんだよねー」というところもあるかもしれません。
正しさを重視する場合は、専門書を読んだり、お坊さんに直接お話を聞いたほうがいいので、そこは私の役割ではないのかな、と割り切ることにしました)

とりあえずいろんなお像にどんどん会っていくスタイルもあり

そうは言うても、調べるまでのモチベーションはないんだよねー、という方もいらっしゃると思います。

そんな方は、「よくわからないけれど、とりあえずいろいろ観ておこう」というスタンスでOK。

なぜかというと、そのうち「あれ??? こんな感じのお像、前にも拝見したな……どのお寺だったっけ? 何っていうお像だったっけ??」と思うことが増えてくるんですね。

それで、記憶を振り返ったり、拝観券を見直したりして「ああ、やっぱり同じ種類のお像だった」なんてことを繰り返していくうちに、見分けがつくようになってくるんです。

「あ、このお像は手に〇〇を持っているから〇〇観音ね」とか
「この手の形は大日如来で決まり」とか。

見分けがつくようになると「なんかよくわからない」状態から脱出しているので、一気に楽しくなります。

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おわりに

「なんか気になる」と思える仏像に会ったら、名前でも持ち物でもいいので、何か一つ調べてみると世界が広がるかも、という話でした。

もちろん、千本ノック的に「わからないなりにいろんな仏像を観る」というやり方もあり。

なーんていろいろ書きましたが、「仏像の前に立つと、心がやすらぐ」これだけでもう、十分意味がありますよね