毛越寺 常行堂(じょうぎょうどう)
毛越寺の大泉ヶ池のほとりに立つ、常行堂。
毛越寺のお堂はことごとく焼失してしまっていますが、常行堂は1732年に再建されています。
お堂をのぞき込むような感じで、内部拝観可能です。
常行堂のご本尊は宝冠阿弥陀如来(ほうかんあみだにょらい)、脇侍に四菩薩が配されています。
さらに奥殿に摩多羅神(まだらじん)をまつっています。
毛越寺に古来より伝わる「延年の舞」が奉納されるのもここです。
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宝冠阿弥陀如来(ほうかんあみだにょらい)
宝冠阿弥陀如来って、いわゆる(一般的な)阿弥陀如来と何か違うのか、といいますと。
まず、見た目としてはゴージャスな宝冠を被っています。
役割としては「天台宗の修行のご本尊」という位置づけとなります。
また宝冠阿弥陀如来というものもあり、こちらは天台宗の常行三昧の本尊として祀られる。紅玻璃色阿弥陀如来と同じく宝冠などの装身具を身につけ、金剛法菩薩、金剛利菩薩、金剛因菩薩、金剛語菩薩の四菩薩を眷属とする。
出典:阿弥陀如来 - Wikipedia
ちなみに常行三昧とは…
仏教用語。中国天台宗の智 顗以来始められた修行。四種三昧の一つ。7日ないし 90日を期限として行われ,阿弥陀仏の像のまわりを歩きながら,その名を称えて阿弥陀仏を念じる三昧修行。
出典:常行三昧(じょうぎょうざんまい)とは - コトバンク
”宝冠”とつくだけあって、立派な宝冠を被っておられました。
宝冠から左右に垂れる飾りが、髪の毛のようでもあったり、リボンのようにも見えたりして、なんだか可愛らしい印象でした。
宝冠阿弥陀如来をまつっているからなのか、常行堂の頭にも飾り(?)が。
宝冠阿弥陀如来の脇侍を四菩薩が囲んでいるらしいのですが、見逃してしまいました。(というか、あまり調べずに行ったので、四菩薩がいるとは知らず……お堂が暗かったこともあり、確認できませんでした)。
常行堂の奥には摩多羅神(まだらじん)
常行堂ではさらに、奥殿というものがあって、摩多羅神(まだらじん)をまつっています。
摩多羅神は、常行堂を後ろからお守りしている神さま
天台宗で常行三昧の行を行うための仏堂・常行三昧堂を守護する神。常行堂の本尊は阿弥陀如来だが、堂の背後にあって悪魔調伏の秘法が行われる後戸にこの神が祀られる。詳しいことが分からない謎の神であるが、左手には鼓を持ち、猿楽者は自らの守護神として尊崇するなど、芸能と密接な関係が窺われる。
出典:摩多羅神 (またらじん)とは:the能ドットコム:能楽用語事典
奥殿にいらっしゃるわけなので、お姿を拝見することはできません。
(御開帳は33年に一度!)
常行堂には摩陀羅神に特有(?)の紙垂(?)が下げられていました。
紙垂(しで)は、神社などで縄から垂れている特殊な折り方をしてある紙です。
参拝中に何か頭を掠めたなあ、と思って頭上を見たら紙垂だった、というのはよくあるかと。
一般的にはこのようなものですが、
常行堂に垂らされていたのは、切り絵的なもの(折り紙をたたんで、ハサミを入れ、広げると模様ができているやつ)で、珍しくておもしろいなあ、と思いました。
常行堂付近は紅葉もきれい
10月中旬、常行堂の周辺はすでに紅葉が始まっていて綺麗でした。
お堂の手前にはお地蔵さんの石像も。
(個人的思い出)常行堂でおみくじをひいてみたら……
常行堂の宝冠阿弥陀如来像、なんだか好きだなあ、と思ったので、お堂の前に置かれていたおみくじをひくことに。
何も考えずにパッとひくときもありますが、何か一つテーマを決めることも。
○○について知りたいなー、と思いながら、ひいてみたりします。
今回は仕事のことを。
以前は会社員をしていたのですが、現在はフリーで仕事をしています。
そのことに関しては本当にラッキーといいますか、いろんな人の助けがあって、現在がありますし、本当に満足しています。
が、やはり収入面での不安定さはなきにしもあらず(フリーランスあるある)。
そこで、今回は(もうちょっと収入を安定させたいなー)と心に浮かべながらおみくじをひきました。
開いてみると末吉。
末吉かぁ、ちょっと微妙かなーと思うとほぼ同時に目に飛び込んできたのが…
「以前のままに働けば幸福になります」
という文章(しかも総括欄的なところに書いてある)!
以前は会社員でしたので、確かに収入は安定していたわけで(専門職だったので、待遇も良好でした)。
的を射すぎていて、また、あまりに正論で、ちょっとびっくりしました。
「た、確かに…」とではあるのですが、だからといって会社員に戻るつもりもなく、焦らずに目の前のことを一つ一つ積み上げていこう、と気持ちを新たにしたのでした。
偶然とはいえ、こういう、ちょっと驚いてしまうような「偶然」、けっこう好きです。
旅行先などでおみくじを引くのがますます楽しみになりました。
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