仏像、ときどきワンダー観光

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【岩手】達谷窟 蝦蟇が池弁天堂 - 「仲良き男女は一緒に参らぬこと」

達谷窟 蝦蟇が池弁天堂(がまがいけべんてんどう)

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蝦蟇が池弁天堂

達谷窟毘沙門堂の境内にある「蝦蟇が池弁天堂」。
白蛇を頭に乗せた弁財天像が安置されています。

(縁起)

その昔、奥州を巡りながら教えを広めていた慈覚大師(→中尊寺や毛越寺を創建したお坊さん)。

川を眺めていると、五色のガマガエルが乗った浮島が流れていきます。

しかしこのガマガエル、貪欲神(貧乏をもたらす神)が化けた姿。
それを見破った慈覚大師は、浮島ごと毘沙門堂の前まで連れてきます。

貧乏神ゆえ、勝手に逃げ出されては困る。
ということで、お堂を建てることに。

ガマガエルを鎮めることのできる白蛇(宇賀神王)の冠を頭上に載せた弁財天像を、慈覚大師自ら彫って祀り、「蝦蟇が池弁天堂」と名付けた、というのが由来とされています。

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弁天堂

蝦蟇が池弁天堂を撮影した画像

蝦蟇が池弁天堂

 

仲良き男女は一緒に参らぬこと

弁天堂に至る橋を渡ろうとすると、こんな注意書きが。

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仲良き男女は別々に御参り下さい

「仲良き男女は別々にお参りください」とな!

昔からよく言いますよね、「弁天様が嫉妬するといけないから、夫婦や彼氏彼女は別々に御参りしなさい」って。

それを最初に聞いたときは小学生だったので、「ふーん、そういうものか」と思いましたが……。

大人になってみると、「弁天様って仏教の天部だし、果たしてそんなに器の小さい存在なのだろうか……噂に尾ひれがつくみたいな要領で、勝手にヤキモチ焼きキャラにしたてあげられているのではないか」と思ったりしていました。

ですが、この立札を見ると、妙にリアリティがありますね。

まぁ、仏教って、お釈迦様ですら実在の人物ですし、万能の神というスタンスではないので、人間味があって当然なのかもしれませんね。

いろんな文化が取り込まれまくって、どこかファンタジーな要素もありますし(そこがまたおもしろい)。

白美肌の弁財天と十五童子

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弁天堂


現在のお堂は平成25年に再建されたもの。

お堂内を覗くと白いお顔の弁天様。
十五体の童子に囲まれておられました。

弁財天は知恵の神、技芸の神とされるので、芸術系のお仕事をされている方などはしっかりお願いするといいかも。

悋気な天女ということなので、まじまじと見つめたら怒られそうな気がして、あんまり目を合わせられなかったです(小心者)。

パンフレットにも

「生けるが如し」と賞される美しい御姿は美人の譬(たとえ)とされたが、流石に祟りを恐れて誰も御貌(おかお)を覗き見る者はいなかったという。

達谷窟毘沙門堂 拝観パンフレットより引用

とありました。

なんかすごくわかる!
神々しくて近づきがたいオーラを感じました。 

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