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【平泉】柳之御所遺跡 - 雄大な史跡公園で奥州藤原氏の権力をひしひしと感じる・資料館では顔の描かれた「かわらけ(小皿)」に注目

柳之御所遺跡

平泉循環バス「るんるん」に乗車し、「道の駅平泉」のバス停で降りると、向かいに柳之御所遺跡と資料館があります。


柳之御所遺跡は、平安時代末期、奥州藤原氏が政治を行った場所「平泉館(ひらいずみのたち)」の跡地と推察されています。

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柳之御所資料館


資料館の駐車場から、柳之御所遺跡の一部を見ることができます。
(柳之御所遺跡は史跡公園となっていますので、散策することもできます。ここから少し北側に行ったところに公園の入り口があります)

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柳之御所遺跡 資料館駐車場からの眺め


当時の地形が復元されています。
ただ凹凸があるだけともいえるのですが、なかなかダイナミックで見ごたえがありました。

柳之御所遺跡について知りたかったので、ひとまず資料館へ。

柳之御所遺跡資料館

平日の16時すぎということもあってか、私以外誰もいませんでした。
おかげで落ち着いてゆっくり見学できてよかったです。

説明ビデオを上映していたので、まずはそちらを観て概要を把握。
当時の建物の様子がCGで再現されていたのですが、かなり豪華だったというのがよくわかりました。


その後、展示物を見学。
私は歴史に詳しいほうではないし、「ふーん」程度で終わるかな、と思っていたのですが、当時の様子がうかがい知れて、かなりおもしろかったです。

興味深かった展示物を記していきます。

 

かわらけ

見た目は素焼きの小皿といった感じです。
宴会や儀式で使用された使い捨てのお皿なのだそう。

平安時代から使い捨てという概念があった、ということにまず驚きました。
とはいえ、同時期にかわらけが出土しているのは平泉のみということなので、やはり特別な場所だったのでしょう。

かわらけにはロクロで作ったものと手づくりのもの(手づくね)があります。
手づくねのほうは京都の文化の影響を受けているそう。

初めはロクロで作ったものがメインで、時代が進むにつれてだんだん手づくねの割合が増えていくようです。
ロクロのほうが後の時代の感じがしますが、逆なのですね。
ファッションなどで昔のものが流行ったりする感じと似ているのかもしれません。

手づくねは味がありますが、パッと見均一できれいなのはロクロのほうでした。

かわらけには、灯りを点すのに使用して油煙が付着したものや、漆を入れるのに使用したものなど、色がついているものもありました。

そんな中で、インパクトが大きかったのが、顔の絵が描かれたもの。
顔、といっても、子どもがふざけて描いた落書きのようなタッチで、あかんべーをしているような表情をしています。
思わずプッとふきだしてしまいそうでした。

写真撮影はNGだった(と思う)ので、パンフレットを見ながらイメージ図を描いてみました。

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顔の描かれたかわらけ イメージ (パンフレットを見ながら描いたもの)


ギョッとされた方も多いかもしれませんが、実際は、もっとシュールでおかしみのある感じです。
ぜひ実物をごらんいただきたいです。

描いたのは子どもか大人かはわかりませんが、使い捨てのお皿ですから、本当に気軽に描いたのでしょうね。

私たちがグダグダした飲み会の席で、手持無沙汰になって、紙ナプキンや箸袋に落書きする状況と似ているのかもしれない、と思うと、人間ってあんまり変わらないんだなぁ、とどこかほほえましく思ってしまいます。

そんな落書きのようなものが、数百年後に展示され、ありがたがられるんだから不思議です。


カエル板絵

カエルの絵(リアルじゃなくて、キャラクター風のもの)が描かれた木片も出土しています。
国宝『鳥獣人物戯画』の影響を受けている可能性があるとのこと(同時代なので)。

カエル絵もパンフレットを見ながらイメージを描いてみました。

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カエル板絵 イメージ (パンフレットを見ながら描いたもの)



 

実物の写真は、岩手県広聴広報のツイッターに掲載されていました(情報は過去のものです)。

https://twitter.com/pref_iwate/status/593973149508587520

 

このカエルの絵を元に生まれたのが「ケロ平」なるキャラクター。
切手にもなったらしい。

https://www.post.japanpost.jp/notification/pressrelease/2015/02_tohoku/0304_01_02.pdf


個人的にカエルは大の苦手ですが、キャラクターはかわいいですね。


ちゅう木

当時の生活用品も出土しています。
糸巻き、しゃもじや箸、おもちゃ(木トンボ、囲碁の石)、すずりなど。

とりわけ印象に残ったのが「ちゅう木」なる木片。
見た目はただの平たい棒切れといいますか、割材です。
が、こちら、トイレットペーパーの代わりに使用していたものらしいです。

わかりやすく言ってしまうと、この割材でお尻を拭いていた、ということ(なお、資料館の説明書きやパンフレットにはあくまで「トイレットペーパーの代わり」と記してあるだけで、決して「お尻を拭くモノ」などとは書かれていませんでした。お上品。教育的配慮ですかね。)。

私的には、まず棒切れでお尻を拭いていたという事実に驚きまして…。
いや、葉っぱとかならまだわかるんですが。
痛そうですよね…。


史跡公園を散策

資料館を出た後、道路沿いに少し北上して、柳之御所遺跡史跡公園の入口へ。
道路を挟んで北側と南側のエリアに分かれています。

時間があまりなかったこともあり、私は南側エリアのみを散策しました。

が、後でよくよくパンフレットなどを見てみると、北側エリアの方が、建物の遺構やら井戸跡やら汚物廃棄穴(トイレ跡)など、見学箇所がたくさんあって楽しそうです(後悔…)。

両方見学するのが良いでしょうが、時間がないときは北側をおすすめします(ただし結構広いです)。

なお、史跡公園では、1160年頃(二代基衡の終わり頃~三代秀衡の始め頃)の様子を示しているそうです。

南側エリアで観られるのは、お堀の跡、お堀にかかっていた橋跡など。

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橋がかかっていたあたりに説明パネルがありました。

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橋 説明パネル

 

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地形模型

 

 

奥州藤原氏―その光と影 (歴史文化セレクション)

奥州藤原氏―その光と影 (歴史文化セレクション)

 

 

暗くなってきて、閉園時間の17時が迫っていたので(※11~3月は16時半)、後ろ髪ひかれながらも史跡公園をあとにしたのでした。

ちなみに、平泉駅に徒歩で向かう場合は、公園入口(入口は二か所あるようですが、県道沿いの、南北どちらにも行けるほうの入口)を出て、そのまま道路沿いを西に歩かれるとよいです。

私は駅の方向を勘違いしており、一旦「道の駅平泉」に戻ってしまったので、同じ道を三度通ることになってしまいました。

バス「るんるん」が走っている時間帯であれば、道の駅平泉からバスに乗ればすぐに平泉駅です。

おわりに

最低限、毛越寺と中尊寺だけ行ければいいか、と思っていて、柳之御所遺跡は「時間があったら寄ってみよう」くらいのスタンスだったのですが、行ってよかったです。
古墳とか好きな方は楽しいのではないかなー、と思います。

資料館も想像以上におもしろかったので、ぜひお立ち寄りください。
かわらけの裏に描かれた顔と、カエル板絵と、ちゅう木、必見です。