仏像、ときどきワンダー観光

おもに仏像のこと。不思議スポットやふつうの観光の話もたまにします

新型コロナウイルスの影響で営業時間などが変更になっている場合があります。

お出かけ前に必ず公式サイト等でご確認ください。

【基礎知識】十二神将とは? - 薬師如来に従う12の夜叉

十二神将(じゅうにしんしょう)とは?

魅惑の仏像 十二神将―奈良・新薬師寺 (めだかの本)


十二神将は、薬師如来の眷属(侍者)をつとめる12の夜叉(やしゃ)の総称。
ちなみに夜叉とは、古代インド神話に登場する鬼神です。

なぜ、鬼神が薬師如来の家来になったかといいますと

釈迦が『薬師経』を説いていたとき、弟子たち以外にも聞き耳を立てている異形のもの(夜叉)たちがいたそうです。
薬師如来が人々を救うために12の願いを立てたことを聞いた12の夜叉たちは、薬師如来をサポートすることを決意します。

各人(夜叉)が、それぞれ7000もの部下を率いているので、薬師如来にはとんでもない数の守護者がいるのですね。

また、十二神将は、薬師如来が立てた、人々を救うための12の願い事に応じて現れる存在、ともされています。

詳しい特徴を見ていきましょう。

 

十二神将像の特徴

戦いの姿&怖い顔

薬師如来や、薬師如来を敬う人々を守るガードマンですので、強そうな姿をしています。
甲冑をまとい、武器を持つ、闘う姿。
顔も忿怒相(怒りの表情)をしていることが多いです。

頭に動物(十二支)を乗せることも(平安時代後期以降)

本来、十二神将と十二支(干支)は無関係でしたが、のちに中国の信仰と結びつき、動物を乗せるようになりました。
平安時代以降のお像では、頭上に干支を乗せるのが一般的です。

具体例(頭に乗せているのは小動物めいていますが、トラ!)

十二神将のうち寅神像の顔

東大寺所蔵の十二神将のうち寅神(「奈良国立博物館だより110号」より)

ただし、どの大将がどの動物をつけるかは、曖昧な部分があるようで、お像によって異なります。

十二神将メンバー

干支については、参考文献などで一般的に記載されているものを記載しています。

名前の漢字が難しいので、全員覚えるのは大変そうですが、自分の干支担当の方は要チェックしておくと、仏像観賞時により楽しいです。

・毘羯羅(びから)大将:子
・招杜羅(しょうとら)大将:丑
・真達羅(しんだら)大将:寅
・魔虎羅(まこら)大将:卯
・波夷羅(はいら)大将:辰
・因達羅(いんだら)大将:巳
・珊底羅(さんてら)大将:午
・頞你羅(あにら)大将:未
・安底羅(あんてら)大将:申
・迷企羅(めきら)大将:酉
・伐折羅(ばさら)大将:戌
・宮毘羅(くびら)大将:亥 

_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _
広告  

十二神将像の実例

奈良 新薬師寺 本堂

十二神将といえばまず思い浮かぶのは新薬師寺のお像。
特に、伐折羅(ばさら)大将の写真は仏像本の表紙などにもよく採用されるので、ご覧になったことがあるかたも多いかも。

この本の表紙の方です。

大和の古寺〈4〉新薬師寺・白毫寺・円成寺・大安寺

悪しきものを叱り飛ばしているような、リアルな表情。

宮毘羅(くびら)大将も、表情がダイナミック。
声が聞こえてきそう。

アイドルと巡る仏像の世界 (NHK趣味どきっ!)


ポーズでいうと、頞你羅(あにら)大将もおもしろい。
手に矢を持ち、その矢が曲がっていないかを目を細めて見ている姿です。

公式サイト>>>新薬師寺 公式ホームページ 十二神将

拝観レポートは>>>新薬師寺 - 十二神将に守られし薬師如来

奈良 室生寺 宝物殿

頭に動物を乗せたタイプの十二神将(のうち6体)。
写実性がありつつも、ポージングなどは誇張されていて、興味深いです。

特に未神は、頬杖をついて空を見上げるようなしぐさをしていてユーモラス。

公式サイト>>>寶物殿 - 女人高野 室生寺

奈良県 興福寺 東金堂・国宝館

像高113~126cm なので、(すごい仏像が集結している東金堂内においては)あまり目立つ感じではないのですが、それぞれに個性的な動きが感じられます。

公式サイトの写真>>>https://www.kohfukuji.com/property/b-0030/

拝観レポート(十二神将にはほぼ触れておりませんがご参考まで)>>>興福寺 東金堂 - 厳しいお顔の維摩居士像


ちなみに、興福寺の国宝館のほうには、板彫りの十二神将があります。
こちらは貴重なうえ、かなりユニークです。
(こういう表現は適切ではないのかもしれませんが)鼻がブタさんのようになっていたり、ポージングが大げさだったり、インパクト大。

初めて観たときは「な、、、なんじゃこりゃ」となりました。

公式サイトの写真>>>https://www.kohfukuji.com/property/b-0024/


_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _
広告  


おわりに

新薬師寺の十二神将など、古い時代のお像は、ザ・武将という感じで迫力があります。
一方、平安後期以降の、頭に動物を乗せているお像は、とたんにかわいらしさが出てきますね。
頭上に乗せる動物と、表情をリンクさせているお像も多いので、ユーモラスでもあります。 

他の仏像をさがす

shishi-report-2.hatenablog.com

 >>>一覧はこちらから

参考文献

仏像の見方ハンドブック-仏像の種類と役割、見分け方、時代別の特徴がわかる (池田書店のハンドブックシリーズ)

写真・図解 日本の仏像 この一冊ですべてがわかる!

イラストでわかる 日本の仏さま (文庫)

天の仏像のすべて (エイムック 2696)

お経と仏像で仏教がわかる本【完全保存版】 (洋泉社MOOK)

アイドルと巡る仏像の世界 (NHK趣味どきっ!)

_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _
広告