叡尊(えいそん)とは?
叡尊(えいそん)は鎌倉時代に活躍したお坊さん(亡くなった後のお名前が「興正菩薩(こうしょうぼさつ)」)。
奈良の西大寺などを再興したことでも有名。
女性、貧しい人、ハンセン病の患者さんなどにも手を差し伸べ、「生き仏」と呼ばれるほど信頼されていたようです。
詳しい特徴を見ていきましょう。
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興正菩薩像の特徴
リアルな表情
基本となるお像は叡尊が80歳のときに弟子たちが作ったもの(西大寺・2016年国宝指定)なので、ご本人の特徴がよく現れているのではないかと思います。
払子(ほっす)を持ち、座る姿。
八の字の、ふさふさした眉毛が印象的です。
興正菩薩像の実例
叡尊はいろんなお寺を復興させているので、奈良のお寺ではたまにお見掛けします。
奈良 西大寺(国宝)
叡尊といえば、荒廃していた西大寺を復興させたことで有名。
弟子たちが造ったお像(1280年・善春作、2016年に国宝指定)も西大寺にあります。
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西大寺は、観光的には東大寺ほど有名ではないのですが、そのぶん空いていて、仏像はとんでもなく素晴らしいので、おすすめです。
奈良 白毫寺 宝蔵
叡尊は白毫寺の再建にも関わっているので、お像がまつられています。
全体としては温和な雰囲気ながら、真理を見通すような目をしていて、思わずビクッとしてしまったのをよく覚えています。
私がお訪ねしたときは、宝蔵の太山王の隣に叡尊さんがおられました↓
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奈良 般若寺 本堂
南都焼き討ちのときに焼けてしまった般若寺をを再興させたのが叡尊一派。
ということで本堂にお像がまつられています。
般若寺は文殊菩薩が有名すぎる&実物も素晴らしくて圧倒されるため、お見逃しなきよう。
(私がお訪ねしたときは文殊菩薩の横におられました↓)
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おわりに
貴賤を問わず、人々を救った叡尊。
80歳のお祝いに弟子たちが肖像をつくるくらいですから、とても尊敬されていたのだろうと思います。
こうして偉人の人生を多少なりともたどれることができるのは、先人たちがお像として遺してくれ、守ってきてくれたおかげであり。
歴史の上に生かされているのだなあ、と思います。
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