仏像、ときどきワンダー観光

おもに仏像のこと。不思議スポットやふつうの観光の話もたまにします

新型コロナウイルスの影響で営業時間などが変更になっている場合があります。

お出かけ前に必ず公式サイト等でご確認ください。

【基礎知識】不空羂索観音とは? - 投げ縄ですべての人をもれなく救済してくれる仏

不空羂索観音(ふくうけんさくかんのん)とは?

※「ふくうけんじゃくかんのん」とも読みます。

興福寺南円堂への階段に立っている「不空羂索観音」の旗

-

不空(ふくう)とは「空しくない」ということ。
羂索(けんさく、けんじゃく)とは、狩りなどに使う投げ縄のこと。

つまり、この縄を投げて、すべての人をもれなく救ってくれるのが不空羂索観音です。

不空羂索観音の特徴

羂索(投げ縄)を持っている

縄の両端には、金剛杵(半分)や、環っかがついています。

(羂索のイメージ)

f:id:shishi-report:20200709132153p:plain


これ以外にも、蓮華、錫杖(しゃくじょう)、払子(ほっす)などの持物も持ちます。

第三の目がある

通常の二つの目のほかに、額にもう一つの目(縦)を持っています。

(第三の目 イメージ)

f:id:shishi-report:20200709133052p:plain


一面三目八臂(いちめんさんもくはっぴ → お顔が一つ、目が三つ、手が八本)のお姿が主流だそうです。


鹿皮(ろくひ)をまとっている

鹿皮とよばれる衣を肩からまとっています。
(詳細は未確認なんですが、おそらく鹿さんの皮でつくった衣類でしょうか)


不空羂索観音像の実例

作例は他の仏像に比べると少ないようです。
奈良時代に流行したとのことで、不空羂索観音像は奈良の寺院に集中しています。

立像(立っているタイプ)

奈良 東大寺 法華堂(三月堂)

法華堂(三月堂)|参拝のご案内|華厳宗大本山 東大寺 公式ホームページ

(お像のお写真は公開していないようです)

東大寺の大仏殿は見学しても、法華堂まではなかなか、という方も多いのではないでしょうか。

(実は私も、東大寺は何度も行っているのですが、法華堂はまだ。
東大寺境内だけでも観るものがたくさんなので、一度にすべて拝観しようとするととんでもなく時間がかかるんですよね)

奈良 大安寺 宝物殿

がん封じで有名な十一面観音像がいらっしゃる大安寺。

仏像 - 病気平癒・癌封じの祈祷やお守り|大安寺 南都七大寺


宝物殿には不空羂索観音立像がいらっしゃいます。
羂索などの持物をお持ちでない(時間の経過とともに失われた?のではないかと)ので、見慣れていないと「不空羂索観音」とはわかりにくいかもしれません。

 

shishi-report-2.hatenablog.com

坐像(座っているタイプ)

奈良 興福寺 南円堂

不空羂索観音坐像が写った興福寺境内の看板を撮影した画像

興福寺南円堂の不空羂索観音坐像(興福寺境内にある看板を撮影)

木造不空羂索観音菩薩坐像(ふくうけんさくかんのんぼさつざぞう) - 法相宗大本山 興福寺

興福寺の南円堂にいらっしゃるのは、康慶(運慶のお父さん)をリーダーとする慶派仏師によって造られた不空羂索観音坐像。

南円堂は通常は非公開、年に一度、10月17日に御開帳となります。
(何年かに一度、一か月程度公開されることもあるようです。)

3メートル超えで迫力もあります。
大変素晴らしくて、興奮した思い出。

開帳日に合わせて奈良に行くのは大変かもしれませんが、仏像好きの方は日程調整してでも行く価値ありです。

shishi-report-2.hatenablog.com



おわりに

仏像観賞を始めた頃(その後もしばらく)は、「不空羂索観音? なんじゃそら」という感じだったのですが、興福寺南円堂で実物を拝観し、すっかり魅了されてしまいました。

不空羂索観音の見分け方おさらい

・まず「羂索を持っているか」

・持っている場合は、
手が八本⇒不空羂索観音
忿怒相(怒りの表情)⇒不動明王
手がたくさん(40本など)ある⇒千手観音

といったところでしょうか。
(羂索を持っていない場合は総合的に判断)

ほかの仏像をさがす

shishi-report-2.hatenablog.com

 

一覧からさがす>>>仏像の種類一覧

参考文献