深沙大将(じんじゃだいしょう)とは?
(海洋堂フィギュア Amazonリンクより)
深沙大将(じんじゃだいしょう)は、玄奘(『西遊記』の三蔵法師のモデル)が天竺(インド)に向かって旅をしていたとき、砂の中から現れて、玄奘を守ったと言われています。
インドから中国に戻った玄奘はいろんなお経を翻訳したわけですが、なかでも有名なのが『大般若経』。
そこで、深沙大将は『大般若経』の守護神となりました。
詳しい特徴を見ていきましょう。
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深沙大将像の特徴
恐ろしい鬼の姿
眉をつりあげ、目をカッと開いた威嚇の表情。
ドクロの連なったネックレスを下げたり、手にヘビを巻き付けたりしています。
お腹に赤子の顔をつけている例も。
こんな恐ろしい鬼が砂の中から現れたら、腰を抜かしてしまいそうです。
両足はゾウの口から出ている
深沙大将の足を見ると、膝から上がゾウの頭。
ゾウの口から両足が生えているような感じです。
ゾウの頭をズボンにできてしまうくらい巨大、ということを表現しているのでしょうか。
深沙大将像の実例
日本では作例が少ないものの、いくつかお像が存在します。
京都 金剛院
仏像本などでもおなじみ、快慶作の深沙大将がおられるのは京都の金剛院。
ギラギラと歯をむき出した大きな口や、全身の奇異さ、衝撃的です。
※拝観には事前の申し込みが必要。
舞鶴市の観光サイト>>>金剛院 | 舞鶴市観光スポット | 海の京都観光圏
高野山 金剛峯寺 霊宝館
髪を逆立てまくり、まさに「鬼の形相」。
首飾りの髑髏や腹部にある赤子の顔も、ミステリアスというかなんというか、衝撃的です。
公式サイト>>>高野山霊宝館【収蔵品紹介:仏に関する基礎知識:深沙大将】
福井 明通寺(みょうつうじ)
256.6cmの大きなお像。
腹部に女性の首を挿しているという、これまた衝撃的な姿。
ヘビを握りしめ、戟という武器を持っています。
小浜市のデジタル文化財>>>明通寺:木造深沙大将立像
岐阜 横蔵寺(よこくらじ)
横蔵寺は、妙心上人の即身仏でも有名なお寺。
こちらの深沙大将像は他のお像ともまたちょっと違った雰囲気。
全体としては比較的シンプルな出で立ち。
目玉がギョロっと飛び出しているのはインパクト大ですね。
揖斐川町サイト>>>5・木造深沙大将立像 | 揖斐川町ホームページへようこそ
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おわりに
作例が少ない上、非公開だったり、事前申し込みが必要だったりと、なかなかお会いするのが難しい深沙大将。
私自身は2017年に開催された奈良国立博物館での『快慶展』で拝観していたようなのですが、当時は今ほど仏像に詳しくなかったこともあり、全然覚えていない。。。もったいないことをした。
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参考文献
仏像の見方ハンドブック-仏像の種類と役割、見分け方、時代別の特徴がわかる (池田書店のハンドブックシリーズ)