吉祥天(きっしょうてん・きちじょうてん)とは?
(Amazonリンク:極小仏 吉祥天立像-11cm浄瑠璃寺型(木製:ツゲ 金泥仕上)_仏像 フィギュア 木彫り 置物(GSBきっしょうてん)
美女の姿で表される吉祥天。
日本では天下泰平、五穀豊穣、財運充足の神として信仰されています。
元はインド神話の美と幸運の女神「ラクシュミー」で、のちに仏教に取り入れられて「吉祥天」となりました。
「吉祥功徳天」「功徳天(くどくてん)」と呼ばれることもあります。
詳しい特徴を見ていきましょう。
広告- - - - - - - - - -
吉祥天像の特徴
唐風の貴婦人の姿をしている
日本の吉祥天像は唐風の衣服をまとい、宝冠や瓔珞(ネックレス)で着飾った天女の姿をしています。
髪を下ろしていることも
菩薩をはじめ、髪の長い仏像は頭頂部で結い上げた姿で表現されることが多いですが、吉祥天は髪を下ろしたダウンスタイルのお像も見られます。
持ち物は如意宝珠
左手に如意宝珠(にょいほうじゅ:意の如く願いを叶える珠)をもっています。
右手は与願印(よがんいん)。
毘沙門天の妻とされる
日本では、吉祥天は毘沙門天の妻とされています(参考>>>毘沙門天)。
子どもは善膩子童子(ぜんにしどうじ)で、子とともに毘沙門天の脇侍をつとめることも(例:京都・鞍馬寺)。
また、吉祥天のお父さんは徳叉迦(とくしゃか)、お母さんは鬼子母神(きしもじん)とされます。
吉祥天像の実例
立像(立っている姿)
京都 浄瑠璃寺(じょうるりじ)
吉祥天といったら浄瑠璃寺のお像が有名。
色白ですこしふっくらしたお顔、衣服やアクセサリーも豪華で、「王朝の美女」のお姿。
開扉日が限られていますので、観光サイト等で確認してからお参りください。
木津川市観光サイト>>>浄瑠璃寺
福岡県 観世音寺(かんぜおんじ)
像高2メートルを超える、国内最大級のお像。
アクセサリー類はつけておらず、髪も結い上げているので、「王朝の美女」というよりは、「親しみやすい近所の奥さん」風。
大宰府観光協会のサイト>>>観世音寺|だざいふ史跡探訪|太宰府観光協会
坐像(座っている姿)
奈良国立博物館 なら仏像館
写真>>>吉祥天倚像|奈良国立博物館
こちらの吉祥天像はかなりふくよかなお方。
お像自体は26.2センチと大きくありませんが、存在感あります。
とても親しみを感じる雰囲気で「あー、よっこいしょ」という感じで台座に座っておられます。
衣服は派手めですが、美女というよりは肝っ玉母さん風で「あら、はいはい、どうしたの」と話を聞いてくれそうな感じです。
三尊像形式
京都 鞍馬寺
中央に毘沙門天、その脇に妻の吉祥天&子の善膩子童子という、毘沙門天一家スタイル。
こちらのお像は、「毘沙門天の妻」としての側面が強く表現されているように感じます。
華美ではないけれど、エプロンや割烹着を彷彿とさせる、ささやかなフリルのついた衣服とか。穏やかな表情とか。
いかにも「(少し前の時代の)偉い人の奥さん」風。
公式サイト>>>総本山 鞍馬寺
私は奈良博の特別展「毘沙門天」で拝観しました。
shishi-report-2.hatenablog.com
広告- - - - - - - - - -
おわりに
華やかな装いが特徴の吉祥天。
いかにもな美女だけでなく、上品な奥さん風、肝っ玉母さん風、と作風が意外とバリエーションに富んでいますので、いろんなお像に会うたびに親しみがわいてきます。
他の仏像をさがす
☆一覧で表示>>>仏像の種類一覧
・写真と3行解説つき↓
shishi-report-2.hatenablog.com
・4階層の説明↓
shishi-report-2.hatenablog.com