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【仏像の知識】三宝荒神とは? - 「仏・法・僧」を守る/火と竈の神

三宝荒神(さんぽうこうじん)とは?

柘植 三宝荒神 立像 29cm 木彫り 仏像

(Amazonより:柘植 三宝荒神 立像 29cm 木彫り 仏像


三宝(さんぽう)とは、「仏・法・僧」のこと(仏教における大切な三つの宝)。
三つの宝を守る、荒ぶる性格の神様(荒神)が三宝荒神。

日本古来の神様が仏教(の民間信仰)に取り入れられた形式なので、日本にしか存在しません。

江戸時代以降は、不浄や災難を焼き尽くすことから、火や竈の神となりました。そこから守備範囲が広がって、食物・農耕の神としても信仰されるようになります。

詳しい特徴を見ていきましょう。

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三宝荒神像の特徴

忿怒相・八つのお顔に六本の手

栗田仏像ブランド【諸天神】三宝荒神座像6寸(総高33cm、幅28cm、奥行き18.5cm)彩色 桧木製高級木彫り 1417

(Amazonより:栗田仏像ブランド【諸天神】三宝荒神座像6寸


荒ぶる性格なので、怒りの表情をしています。
お顔が8面、腕が6本(八面六臂:はちめんろっぴ)であることが多いようです。

明王によく似ているので、見分けるのはけっこう難しそうですね(見分け方は後述)。

三宝荒神像の実例

京都 護浄院

ご本尊が三宝荒神。
開成皇子(光仁天皇の皇子)が修行中に感得され、自らその姿を彫り、お祀りしたのが始まり。
ということで、日本で最初の三宝荒神というか、出現(発祥)の地ともいえるでしょうか。

ja.kyoto.travel

兵庫 清荒神清澄寺(きよしこうじんせいちょうじ)

創建1100年の古くて大きなお寺。

拝殿に三宝荒神がまつられているようです(私自身、まだお訪ねしたことがないため、常時お姿を拝見できるのかは未確認です、すみません)。

公式サイト>>>拝殿(天堂) | 境内案内 | 清荒神清澄寺

 

(その他調査中)

やはり日本独自の神仏ということで、神社としてお祀りしているところもあるのですが、「仏像」となると例が少ないようです。
今後、追加していきます。

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おわりに

日本の神と仏教の民間信仰が結びついて誕生した三宝荒神。

忿怒相で手がたくさんあるなど、明王とよく似ています。
とくに(ぱっと見は)金剛夜叉明王とそっくり?な気も(金剛杵などの持ち物も似てる!)。

ですが、金剛夜叉明王は目が5つあるので、お顔を見れば見分けられそうです。

(参考:金剛夜叉明王の例。目が5つあります)

海宇工芸(kaiu art) 小仏-東寺形【金剛夜叉明王(こんごうやしゃみょうおう)】 五大明王之一 柘植 金泥仕様 高さ12.7cm 木彫仏像

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参考文献

イラストでわかる 日本の仏さま (文庫)

【マイナビ文庫】幸せへと導く仏様事典