僧形八幡(そうぎょうはちまん)とは?
(写真は栗田仏像ブランドのAmazonリンク)
僧形八幡は、お坊さんの姿で表わされる八幡神(はちまんしん)。
日本で最も多い「八幡神社」、いわゆる「はちまんさま」としておなじみの神様ですね。
八幡神はもとは宇佐の氏神さまでしたが、奈良時代には鎮護国家の神様となります。
仏教と習合して、お坊さんの姿でも表わされるようになりました。
「八幡大菩薩(はちまんだいぼさつ)」とも呼ばれます。
詳しい特徴を見ていきましょう。
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僧形八幡像の特徴
お坊さんの姿
髪を剃り、袈裟をつける僧侶の姿をしています。
座って錫杖をもつ形が一般的なようです。
僧形八幡像の実例
奈良 東大寺 勧進所八幡殿(10月5日のみ開扉)
明治初期まで東大寺の手向山神社におまつりされていたお像で、鎌倉時代・快慶による作。現在は東大寺勧進所の八幡殿におられます(10月5日のみ開扉)。
見た目はまさに、キリリとした表情のお坊さん。
衣のしなやかさがいかにも快慶的で、リアルな表情からも「只者じゃない感」が漂っています。
特別開扉のようす
【仏像】東大寺 勧進所(10/5秘仏特別公開の様子)- 僧形八幡・公慶上人・五劫思惟阿弥陀像 - 仏像、ときどきワンダー観光
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公式サイト>>>勧進所 - 東大寺
奈良 休ヶ丘八幡宮(薬師寺鎮守)※現在は奈良国立博物館に寄託
奈良の薬師寺の南側には鎮守の休ヶ丘八幡宮があります。
そこにお祀りされていたのが八幡三神像。
中央に僧形八幡、左右に神功皇后(じんぐうこうごう)と仲津姫命(なかつひめのみこと)が並びます(現在は奈良国立博物館が管理)。
寛平年間(889~898)に迎えられたお像で、日本最古クラスの木彫神像。
像高38センチながら、入念な作風。
京都 東寺(教王護国寺)鎮守八幡宮
東寺境内の南側にある鎮守八幡宮。
東寺の創建時に王城鎮護を願って建てられました。
空海自ら彫ったと伝わる、僧形八幡神と2女神がお祀りされています(日本最古の神像)。
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おわりに
地蔵菩薩や高僧(仏教に貢献したお坊さん)像とも似ている僧形八幡神。
地蔵菩薩は比較的若い姿で表わされることが多いので、まだ見分けやすいのですが、高僧像とはよく似ています(「僧形」ですものね)。
高僧像との違いは「高僧像よりもなんだか神々しい(光背など)」という感じかなと思います。
お見掛けする機会は少ないですが、博物館などで展示されていることはけっこうあるかなと思います。
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参考文献
仏像の見方ハンドブック-仏像の種類と役割、見分け方、時代別の特徴がわかる (池田書店のハンドブックシリーズ)