仏像、ときどきワンダー観光

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【仏像の知識】僧形八幡とは? - お坊さんの姿をした「はちまんさま(八幡神)」

僧形八幡(そうぎょうはちまん)とは?

栗田仏像ブランド【諸天神】八幡大菩薩2.5寸(総高16cm、幅11cm奥行10.5cm)円光背四角台 桧木製高級木彫り 14956

 (写真は栗田仏像ブランドのAmazonリンク)

僧形八幡は、お坊さんの姿で表わされる八幡神(はちまんしん)。
日本で最も多い「八幡神社」、いわゆる「はちまんさま」としておなじみの神様ですね。

八幡神はもとは宇佐の氏神さまでしたが、奈良時代には鎮護国家の神様となります。
仏教と習合して、お坊さんの姿でも表わされるようになりました。
「八幡大菩薩(はちまんだいぼさつ)」とも呼ばれます。

詳しい特徴を見ていきましょう。

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僧形八幡像の特徴

お坊さんの姿

髪を剃り、袈裟をつける僧侶の姿をしています。
座って錫杖をもつ形が一般的なようです。

僧形八幡像の実例

奈良 東大寺 勧進所八幡殿(10月5日のみ開扉)

東大寺 参拝リーフレットを撮影

 

明治初期まで東大寺の手向山神社におまつりされていたお像で、鎌倉時代・快慶による作。現在は東大寺勧進所の八幡殿におられます(10月5日のみ開扉)。

見た目はまさに、キリリとした表情のお坊さん。
衣のしなやかさがいかにも快慶的で、リアルな表情からも「只者じゃない感」が漂っています。

特別開扉のようす

【仏像】東大寺 勧進所(10/5秘仏特別公開の様子)- 僧形八幡・公慶上人・五劫思惟阿弥陀像 - 仏像、ときどきワンダー観光

 

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公式サイト>>>勧進所 - 東大寺

奈良 休ヶ丘八幡宮(薬師寺鎮守)※現在は奈良国立博物館に寄託

奈良の薬師寺の南側には鎮守の休ヶ丘八幡宮があります。
そこにお祀りされていたのが八幡三神像。

中央に僧形八幡、左右に神功皇后(じんぐうこうごう)と仲津姫命(なかつひめのみこと)が並びます(現在は奈良国立博物館が管理)。

寛平年間(889~898)に迎えられたお像で、日本最古クラスの木彫神像。
像高38センチながら、入念な作風。

京都 東寺(教王護国寺)鎮守八幡宮

東寺境内の南側にある鎮守八幡宮。
東寺の創建時に王城鎮護を願って建てられました。

空海自ら彫ったと伝わる、僧形八幡神と2女神がお祀りされています(日本最古の神像)。

 

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おわりに

地蔵菩薩や高僧(仏教に貢献したお坊さん)像とも似ている僧形八幡神。

地蔵菩薩は比較的若い姿で表わされることが多いので、まだ見分けやすいのですが、高僧像とはよく似ています(「僧形」ですものね)。

高僧像との違いは「高僧像よりもなんだか神々しい(光背など)」という感じかなと思います。

お見掛けする機会は少ないですが、博物館などで展示されていることはけっこうあるかなと思います。

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参考文献

仏像の見方ハンドブック-仏像の種類と役割、見分け方、時代別の特徴がわかる (池田書店のハンドブックシリーズ)

写真・図解 日本の仏像 この一冊ですべてがわかる!

イラストでわかる 日本の仏さま (文庫)

【マイナビ文庫】幸せへと導く仏様事典