蔵王権現(ざおうごんげん)とは?
(Amazonリンク:栗田仏像ブランド【諸天神】蔵王権現立像 )
権現(ごんげん)とは、「仮の姿」の意味。
蔵王権現は、如来や菩薩が仮の姿で出現していると考えられます。
修験道(しゅげんどう)の開祖・役小角(えんのおづぬ)が、奈良の吉野の金峯山(きんぷせん)で修行中に感得したと伝わっています(※)
人間をはじめとするすべての生き物を救う仏の出現を祈ったところ、釈迦如来や千手観音、弥勒菩薩が現れたものの、「温和すぎて荒ぶる者たちを救えない」と納得できずにいると、最後に蔵王権現が登場したのだとか。
(※)実際にはのちの平安初期に山岳信仰と密教が結びついて生まれたようです。
詳しい特徴を見ていきましょう。
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蔵王権現の特徴
忿怒相
人間と同じように、お顔が一つ、手が二本の姿。
表情は忿怒相(怒りの表情)です。
右ひざを挙げている
(AmazonよりイSム(イスム) TanaCOCORO[掌] 蔵王権現 御朱印帳&巾着袋セット)
三鈷杵などを持った右手を振り上げ、左手を腰に当てるような、躍動感ある姿勢をとっています。
蹴り上げた右膝で天地間の悪魔をはらっているとされます。
蔵王権現像の実例
奈良 金峯山寺(きんぷせんじ)
蔵王権現といえば奈良の吉野の金峯山寺が一番に浮かびます。
日本最大サイズの秘仏(中尊:728cm 左尊:592cm 右尊:615cm)。
秘仏ですが、ここ10年〈2012~2022〉は、仁王門修理大勧進のため一定期間御開帳されていました。
青黒いお身体は慈悲と寛容を表しているのだとか。
(2023年以降はどうなんだろう、、私まだ行ったことないのでぜひ御開帳願う)
公式サイト>>>金峯山修験本宗 総本山 金峯山寺
奈良 如意輪寺
如意輪寺もまた奈良・吉野のお寺。
境内には後醍醐天皇の墓陵もあります。
運慶の弟子・源慶作とされる蔵王権現立像が安置されています。
(朝日新聞の記事で写真見られます>(いにしえナビ)厳しさと温かさ感じる形相:朝日新聞デジタル)
公式サイト:如意輪寺|吉野郡吉野町吉野山にある南朝御歴代天皇の勅願寺
鳥取 三仏寺
「投入堂(なげいれどう)」で有名なお寺。
この投入堂のなかに、蔵王権現立像がまつられていました。
※現在は、宝物館にいらっしゃるようです。
公式サイト:三徳山三佛寺 | 三徳山三佛寺 国宝投入堂
(行くのが大変!もっと手軽に拝観したい、という方は奈良国立博物館へ)
山岳信仰と結びついているので、蔵王権現を祀っているお寺は山岳地帯にあるため、行くのがけっこう大変。
とりあえずお姿を拝見したい、という方は、小さなお像にはなりますが、奈良国立博物館の「なら仏像館」に何体かいらっしゃるので、そちらをおすすめします。
5体くらい並んでおられて、意外と見ごたえあります。
shishi-report-2.hatenablog.com
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おわりに
蔵王権現は忿怒相であることから、明王と似ているのですが、
・腕が二本であること
・膝を高く蹴り上げている
のが見分けるポイントです。
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shishi-report-2.hatenablog.com
参考文献
仏像の見方ハンドブック-仏像の種類と役割、見分け方、時代別の特徴がわかる (池田書店のハンドブックシリーズ)