東寺 観智院(かんちいん)
東寺の北大門を出たところに観智院なる建物があります。
観智院とは、お坊さんが勉強に励む場所のこと。
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客殿は国宝
広い玄関のようなところで靴を脱いで上がり、順路に従って見学していきます(内部は撮影禁止)。
庭が綺麗だなーとか、やけに古いふすまがあるなーとか、ぼんやりしたまま見学してしまったのですが、客殿は国宝です。
客殿の床の間には宮本武蔵直筆の「鷲の図」があります。
絵柄がはっきり認識できないほどで、流れた時の長さを思いました。
なんて言いつつ、すでに五重塔やら金堂講堂やら宝物館で情報を入れたため、正直かなりぼんやりしており、順路が曖昧になるという事態(汗)
少しウロウロした後、こっちかなー(まぁ、何か見逃していてもいいか)と玄関側に戻ろうとしていたら後ろから「スイマセン」と声が。
振り向けば北欧系?の外国人女性が。
その女性、私が向かおうとしている方向とは別の方向を指さし、「観マスカ?」と片言の日本語で微笑みました(慈悲にあふれた、とても美しい微笑みでした)。
それ以上の言葉はなかったのですが、おや、なんだか向こう側にいいものがあるらしい、と伝わってきたので、外国人女性に御礼を言ってそちらに行ってみました。
すると、五大虚空蔵菩薩像が!!!
五大虚空蔵菩薩像
五大虚空蔵菩薩を簡単に言うと、無尽蔵の知恵を五体の仏像で表現、セットで祀っている、という感じでしょうか(詳しくは>>>虚空蔵菩薩)。
す、すごい。
私はこんな大物を見逃しそうになっていたのか!
声をかけてくれた外国人女性に激しく感謝しました。
大きなリュックを背負っていたし、首にカメラをかけていたような気がするので、観光客の方と思われるのですが、わざわざ日本人の私に教えてくれるなんて!
(というか、自国の観光スポットで迷うなよ、私)
目の前の仏像の美しさと、外国人女性の優しさで、なんだか胸がいっぱいでした。
さて、この五大虚空蔵菩薩像、唐の都、長安の青龍寺金堂の本像だったもので、唐に行った僧の恵運さんが持ち帰ったものだそうです(847年)。
そんなに古いもの、しかも唐から渡ってきたものだなんて。
積み上がってきた時間やら、当時の渡航の大変さを思うと、ただただ「すごいなー」と思わずにはいられません。
五大虚空蔵菩薩はそれぞれ獅子、象、馬、孔雀、迦楼羅(かるら)に乗っています。
のりものとして、獅子と象はよく見かけます(獅子:文殊菩薩、象:普賢菩薩)が、迦楼羅は珍しいかな。
五大虚空蔵菩薩像のお顔、誰かに似ているなーと思って、これまで知り合ってきた人々の顔を思い浮かべていました。
「ああ、あのひと!」とわかって勝手にスッキリしたり。
愛染明王像
五大虚空菩薩像の隣の部屋(仕切りはありませんが)には、愛染明王さんがいました。
愛欲を悟りに浄化させる明王です。
こちらの愛染明王、怒りの表情ではあるのですが、目がぱっちりしていて、なんとなくかわいらしい印象を受けました。
頭上に乗った獅子の表情もたまらないですね。
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おわりに
観智院、観ても観なくてもいいや、と思っていましたが、観たほうがいいです。
東寺に行かれた際にはぜひ。
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