仏像、ときどきワンダー観光

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【お堂】善光寺 本堂内々陣 - 漆黒の暗闇で「極楽の錠前」を探り当てるお戒壇めぐり

善光寺本堂 内陣・内々陣 

善光寺の本堂を山門付近から撮影した画像

善光寺本堂外観

善光寺参拝のしおりに記載の本堂の間取り図部分を撮影した画像

善光寺本堂 青で囲った箇所が内陣・内々陣

善光寺本堂の内陣、内々陣(お戒壇めぐり)の様子を紹介します。
全体案内は>>>【長野】◆善光寺- 「一生に一度は善光寺詣り」と言われた大寺院 

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(拝観券購入)

本堂の内陣・内々陣に入るには、拝観券が必要となります。
私は本堂内にあった発券機にて、山門なども観られるセット券(一般1000円)を購入しました。

改札にて拝観券を見せた後、靴を脱いでビニール袋に入れて、内陣に上がります。

内陣

改札を入って左に内陣。広い畳の空間が広がっています。
江戸時代はここに泊まって祈っていたのだとか。

まずは内陣から瑠璃檀に向かって参拝。

ご本尊 一光三尊阿弥陀如来(絶対秘仏)

ご本尊は「一光三尊阿弥陀如来像」(瑠璃檀に向かって左)。
中央に阿弥陀如来、向かって右に観音菩薩、左に勢至菩薩という並びです。
絶対秘仏なのでお姿をみることはできません。

御三卿 (本田善光ファミリー)

瑠璃檀の右側には、御三卿(本田善光さんとその奥さんと息子さん)の像(※)が安置されています。
内陣から瑠璃檀まで少し距離があり、また、厨子がかかっていた(気がする)ので残念ながらあまりよく拝見できませんでした。

なお、御三卿は仏像ではなく、「神像」なのだそう。
一つのお堂内に、ご本尊とご神体をともに祀っているケースは珍しいのだとか。

来迎二十五菩薩(らいごうにじゅうごぼさつ)

ご本尊と御三卿にご挨拶が終わったら、ぜひ欄間を見上げてください。
来迎二十五菩薩(阿弥陀如来とともに極楽浄土から迎えにきてくれる部隊)が輝いています。

弥勒菩薩・地蔵菩薩も

内陣の左スペースには弥勒菩薩像が、右側には地蔵菩薩像もおられます。
(地蔵菩薩は、通路側なので、内陣・内々陣を出るときなどにご覧になるとよいかと思います)

では、内陣を出て、内々陣に向かいます。

内々陣のお戒壇めぐり

まず、お戒壇(かいだん)めぐりとは?

お戒壇めぐりは、御本尊の安置される瑠璃壇下の真っ暗な回廊を通り、中ほどに懸かる極楽の錠前を探り当てて、秘仏の御本尊と結縁する道場です。
(善光寺 ご参拝のしおり より引用)

極楽の錠前、名前からしてご利益がありそうですね。
これはぜひ触っておきたい。

(以下、感想となります。まだ行かれたことがない方は、予備知識がないほうが楽しめるような気がするので、読まれない方がいいかもしれません)


お戒壇めぐり入口の階段を下りると、真っ暗な通路が伸びています。
壁に「このあたりをつたっていってね」的なガイドが貼られていました。
右手で壁に触れながら、漆黒の道を進んでいきます。

真っ暗な上に、誰もいない(混雑時などは前後に人がいると思います)。

暗闇の中を一人きりで歩くのはとんでもなくドキドキしました。
今ここで何かあっても逃げられない、と思うと怖いですよね(小心者)。
(ほんとにこっちでいいの? 道合ってる?)なんて自問自答しながら、とにかく壁を伝ってそろそろと歩いていきます。

暗闇を歩いていると、わりと遠くのほうで、「コレ、コレ、わかった?」という声がしました。
お父さんと子どものよう。
何がわかったんだろう、と思いつつ、とりあえずお戒壇内に誰かいることがわかって、少しホッとしました。

二回ほど角を曲がったあたりで(記憶曖昧ですが)、手すりのようなものに手が触れました。

おや? これはなんぞや?
引っ張ってみるとちょっと動く。
なぞってみると、上下にひし形というか、正八面体のような飾り(?)もありました。

これが、噂の極楽の錠前か!!
少し前に耳にした「コレ、コレ、わかった?」とお父さんらしき声が息子さんに問うていた理由を理解しました。
私も、もし誰かと一緒だったら「あ、これ? あったあった!」とか言ってしまったと思います。
「極楽の錠前」という名前から(錠という漢字が入っているので)南京錠的なものなのでは? と勝手に予想していたので、意外でした。

この極楽の錠前の真上にご本尊がおられるので、錠前を通じて結縁できる、というわけなんですね。

満足のいくまで極楽の錠前を撫でた後、再び歩みを進めます。
徐々にぼんやり明るくなってきて、出口が近いことがわかるとホッとしました。

私が出るときには、お戒壇に入っていく方がゾロゾロといらっしゃいました。
一人きりで入れたのはすごくラッキーだったのかも(後ろから人が来ることもなかった)。
一人きりでお戒壇を歩くのと、見ず知らずの人の存在を感じながら歩くのとでは、感じ方が随分違うだろうなと思うので、貴重な体験でした。

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