仏像、ときどきワンダー観光

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【奈良】白毫寺 宝蔵の仏像 - 閻魔・太山・司命・司録の地獄チーム必見

全体案内は>>>◆白毫寺 - 眺めよし&閻魔さまのいるお寺

白毫寺 宝蔵の仏像

白毫寺 宝蔵

白毫寺境内北側にある宝蔵。
閻魔さまをはじめとする、地獄チームのお像群、とくに必見です。
地獄メンバーは作例が比較的少ないと思うので、奈良だと白毫寺がおすすめかなと思います。

宝蔵内の配尊図を描いてみました。
お像はすべて重要文化財に指定されています。

宝蔵_配尊図

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阿弥陀如来(あみだにょらい)坐像

宝蔵におられる弥陀如来さんが、白毫寺のご本尊と思われます(一般的には本堂におられるのがご本尊ですが、白毫寺では宝蔵のほうがご本尊のようです)

平安~鎌倉時代のお像。
とても穏やかな表情で、角度によっては少しほほ笑んでいるようにも見えました。
「よく来てくれましたね」と言ってくれそうな印象。

参考>>>阿弥陀如来とは? - 人々を極楽浄土に導く

地蔵菩薩(じぞうぼさつ)立像

スッと伸びた涼やかな目元が理知的で印象的。
光背がしっかりと残っていて、厳かでもあります。
持ち物は錫杖&宝珠というお地蔵さんの定番アイテム。
着色もけっこう残っていて、衣などは緑っぽい色調でした。

参考>>>地蔵菩薩とは? - 如来のいない時代を任された救済者

 

伝・文殊菩薩(もんじゅぼさつ)坐像

以前白毫寺にあった多宝塔のご本尊だったそうで、白毫寺では最古のお像(平安時代)。
文殊菩薩として伝わっているけれど、詳細は不明のようです。

高く結い上げられた髪や衣服の感じから「菩薩」カテゴリであることは間違いなさそうですが、お像の左手は軽くにぎられ、右手はピースサインのような形の印相。

たしかに「文殊菩薩っぽいけどそうでもないような気もする」という印象なのです。
文殊菩薩だともう少し若々しい印象に彫られるような気もするので。

参考>>>文殊菩薩とは?- 知恵を象徴する仏

 

閻魔王(えんまおう)坐像

閻魔王坐像 (リーフレットより)

死者を裁くとされる十人の王(十王:じゅうおう)のうち、死後57日目の裁きを担当する閻魔王(えんまおう)。
十王のリーダーでもあります。

もう、とんでもないド迫力でした。
顔ごとこちらに飛んできそうというか。

この表情で「悪いごとしてねぇがっ!?」とでも叫ばれたら、いろいろもれそうです。
体つきもどっしり、頭にかぶっている冠も大きくて重量感ありまくりました。

太山王(たいざんおう)坐像

死後77日目の裁きを担当する太山王。
上の閻魔王と対になるお像です。

閻魔王が口を開けているのに対し、太山王は閉じているので、「阿吽の呼吸」的なことを表現しているんでしょうか。

太山王もド迫力ですが、やはり閻魔さまよりほんの少し控えめな印象を受けました。サブリーダーの感じというか。

1497年の兵火で焼けこげてしまったようですが、その翌年の修理のときすでに現在のお姿に戻ったとのこと(なんと迅速な修復!)。

体内の墨書から、康円(※)の作とわかっています。

(※)康円は運慶の孫という説もありますが、定かではないようです。

司命・司録像

司命・司録は、閻魔王の眷属。
簡単にいうと閻魔様の部下ですね。

ともに虎の皮を敷いた椅子に座っています。

司命は口を「ぬんっ」とかたく結び、筆と木札を持っています。
今にも書きつけてやるぞ、という姿。

司録は手に書巻(現在は欠損)を持ち、それを読み上げるような表情をしています。

この司録の目線や口元が実にリアルで
「さぁ~て、どんな悪事を働いてきたのかな~ ヒッヒッヒ」
と今にも声が聞こえそうでした。

もしも身に覚えがあったらとてもいたたまれない……。

閻魔王・太山王が(顔の迫力はすごいけど)どっしり座っているのに対し、司命・司録は動きが感じられて、非常に印象に残っています。

興正菩薩叡尊(こうしょうぼさつえいそん)坐像

叡尊さんは、西大寺をはじめとする、奈良のたくさんのお寺を復興させたお坊さん(没後のお名前が「興正菩薩」)。

叡尊さんは白毫寺の再建にも関わっているので、お像が安置されています。

「目は口ほどにものを言う」とよく言われますが、まさにそんな感じの表情でして。

私には
「君、覚悟はあるのかね?」
と問われているように思えました。

見透かされてヒヤッとするというか、背筋がしゃんとするような、そんなお像でした。

造った方もすごいし、おそらく叡尊さんも尋常ならざる雰囲気をお持ちの方だったんだろうな、と思いました。

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白毫寺、仏像すごい

奈良の主要観光地(東大寺・春日大社らへん)からは少し離れているので、アクセス面は便利ではないですが、仏像好きの方にはぜひおすすめしたいお寺だと感じました。

やっぱり、地獄メンバーのお像の見ごたえがすばらしいです。

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・大和座りの観音・勢至菩薩も必見

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