仏像、ときどきワンダー観光

おもに仏像のこと。不思議スポットやふつうの観光の話もたまにします

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【奈良】大安寺 - 喝を入れてくれそうな楊柳観音や四天王のポーズに注目

 

アクセス

JR奈良駅から徒歩で25分程度。
徒歩25分と聞くと、すごく遠い感じがするかもしれませんが、道のりがシンプルなこともあり、わりとすんなり到着しました。

バスの場合は「白土町行」「シャープ前駅」「大安寺行」「イオンモール大和郡山行」に乗車、大安寺バス停下車徒歩約10分となります。

特徴

聖徳太子が平群郡に作った熊凝精舎(精舎:出家修行者の道場)なるものが最初らしいです。
その後、所や名を変え、平城遷都のときに現在の場所にやってきたのだとか。

ちなみに奈良時代は、仏教の総合大学的な役割だったそうで、名僧たち(最澄さん、空海さんも!)が大安寺に居住していたそうです。

大安寺は官立寺院だったので、悪病や難病封じが役割の一つだったそうです。
そういった背景から、現在ではガン封じ、病気平癒のお寺として信仰を集めています。

境内の様子

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大安寺 南大門跡地


かつての南大門跡地が入口となっています。
現在の門は、興福時旧一乗院の門を復元したものらしいです。

石段の感じを見る限り、南大門はかなり巨大な門だったのではないでしょうか。

南大門跡地の北には中門跡も(境内の中)。

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中門跡



門をくぐって右手には、ささやかな竹林もあります。

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竹林


この竹林の隣に、拝観受付をしている建物があり(お守りなども売っていました)、拝観料をおさめました。

ご本尊の十一面観音立像(10月1日~11月30日のみ公開)と、宝物殿(讃仰殿)を観ることができます。

 


本堂

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奥に映っているのが本堂


くつを脱いで、本堂へ上がります。
仏像のすぐそばまで近寄って拝観できました。

お堂須弥壇の中央にいらっしゃるのが十一面観音立像(天平時代)。
こちらのサイトで写真がご覧になれます。

本尊・十一面観音菩薩立像|大安寺|奈良市|奈良エリア|秘宝・秘仏 特別開帳|祈りの回廊|巡る奈良 [奈良県]


とても穏やかな表情ですよね。
十一面観音さまの前で少ししゃがみ、見上げると、目が合う感じです。
「どうしましたか?」と聞いてくれそうな印象。


十一面観音さまの両脇を固めるのは高僧(えらいお坊さん)のお像(説明書き等なく、どなたかはわからなかったのですが、おそらく創建にかかわった方かと)。

仏像に詳しくなかった頃は、高僧の彫像など「ふーん」としか思わなかったのですが、最近はけっこう興味を持っています。

というのも、大仏様や観音様って「象徴としてのお像」だと思うので、どこか抽象的な面があると思います。
大元のモデルは釈迦(ブッダ)ではあるものの、仏像が彫られるようになったのはだいぶ後のことで、当時のバラモン教の僧侶の姿を模している、とどこかで読んだことがあります。
つまり、「特定の誰か」を表しているというよりは、「信仰の対象である」という面がメインですよね。
観音様なんかは三十三もの姿がありますし。


一方、高僧は確実に存在していたお方。
弟子たちが仏像をつくったりしているので、表情が生き生きしていることが多いと思います(いろんな思い出などもあるでしょうし)。
だから「どんな方だったのかな」ということが、お像から想像しやすいのが特徴かな、と思います。

大安寺本堂におられる高僧の像は二軀とも、目元がはつらつとしていておられましたた。
前向きな印象で、なんだか励まされます。


宝物殿(讃仰殿)

境内の北側にある宝物殿。

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宝物殿


大安寺に伝わる仏像9体のうち、7体がこちらに安置されています。
いずれも天平時代のもの。

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パンフレットを撮影したもの


中央に不空羂索観音立像。
その左に聖観音立像、右に楊柳観音立像。
観音像たちを挟むのが四天王立像。
といった配置でした。

不空羂索観音

不空羂索観音は羂索と呼ばれる網を持っていて、それであらゆる人を救うので、「むなしからず→不空」なのだそう。
比較的唇が厚めで、愛情深さを感じるようなところがありました。


 

聖観音立像

聖観音といえば観音像のスタンダードでしょうか。
世の音を観る、ということで観世音、自在に観て救うので観自在ともいわれるのだとか。

大安寺の聖観音はカヤの一木彫(全身が一本の木から彫られている)だそうです。

ガイダンスによれば、唐の貴婦人が着飾った様式を伝えているともいわれているとか。
個人的にはお顔の感じはちょっと男性っぽいかなと思いました(鼻に存在感があるからか?)。

楊柳観音

観世音菩薩は必要に応じて姿を変えるわけですが、その一つが楊柳観音。
手に柳の枝を持っているからそう呼ばれるようです。
柳のようにしなやかに願いを聞いてくれる、的なことのようです。

女性的な姿で描かれることが多いそうですが、大安寺の楊柳観音はなかなか厳しい表情。

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パンフレットを撮影したもの

今にも「喝っ!」とでもおっしゃいそうです。
目も吊り上がっていますしね。

 

大安寺 (1966年) (美術文化シリーズ)

大安寺 (1966年) (美術文化シリーズ)

 

 




四天王

元々は一具ではなかった(別々の四天王グループに所属)ようですが、長い歴史の中でこの四軀が残ったそうです。
四天王といえば邪鬼を踏みつけがちですが、こちらの四天王は岩場に立っておられます。

注目していただきたいのは、四天王たちのポーズ。
広目天以外のお三方は、左手を腰に当て、右手を揚げているという、ほぼ同じ態勢です。
一方の広目天さんは、定番のポーズ(持物は失われていますが筆と巻物を持っていたと思われる)。

(俗な見方でアレですが)広目天さんだけダンスの振りを間違ってしまった、的にな場面にも見えたりします(しかも広目天さんの表情、「あっ(しまった)」にも見えなくもない)。

四軀でひとグループなので、全体として左右のバランスをとったポーズになると思うのですが、元々一具でなかったからこそ、三軀が同じポーズという状況になっているのでしょうね。
なかなか珍しくて興味深かったです。

ぜひ公式ウェブサイトで写真をご覧ください。

仏像 - 病気平癒・癌封じの祈祷やお守り|大安寺 南都七大寺

 


その他

だるまみくじがあったのですが、おみくじの入れ物である小さいだるまさんが境内のあちこちに佇んでいて、かわいい!!

ちゃんと整列しているところがまたたまらないです。

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小さいだるまさんが並ぶ




おわりに

竹林もあり、木々も茂り、心が落ち着くお寺でした。

個人的には宝物館がおすすめ。
ちょっと腰をかけらるスペースがあり、仏像を観ながらホッとできます。
音声ガイダンスを聞くこともできるので、手持無沙汰ということもなく。



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