興福院(こんぶいん)ってどんなお寺?
興福院の特徴
・丘陵の斜面にあり、自然豊かな尼寺
・読み方は「こんぶいん」
・拝観には予約が必要(※)
(※12~2月、7・8月は拝観不可。
春と秋の特別公開期間は予約不要です。)
興福院のみどころ
・仏像本でもよく紹介される、阿弥陀三尊像
・丘陵地にあるお寺ならではの雰囲気
興福院 拝観レポート
大門
江戸時代の建造。
徳川家の家紋のついた幕がかかっています。
というのも、興福院は徳川幕府から庇護を受けていたお寺なのだそうです(明治以降は浄土宗知恩院の所轄)。
中門
中門の奥に見えているのは本堂です。
客殿
客殿も江戸時代の建物。
客殿の縁側から本堂方面を眺めると、緑がいっぱいで癒されます。
客殿で拝観したもの
東大寺の大仏腹内の古木で造ったという、釈迦如来坐像。
(※特別公開時以外は拝観不可かもしれません)。
江戸時代の大仏修復では、大仏体内の構造補強用の木組みが新しいものに換えられたそうで、そのときに出た古い木材を使って、約1000体ほどの仏像を作ったそうです。
公慶上人というお坊さんが企画、実際に彫ったのは当時活躍していた仏師だったようです。
(奈良市のウェブサイトに写真あり>>>木造釈迦如来坐像 - 奈良市ホームページ)
・刺繍の写真
興福院に伝わる宝物は刺繍類。
現物は京都・奈良の国立博物館で保管しているそうなので、客殿に飾られているのは写真のみ。
特別拝観記念のクリアファイルにも印刷されています。
江戸時代のししゅうですが、信じがたいくらい鮮やかで精巧です。
本堂
客殿から本堂へは渡り廊下を渡って向かいます。
阿弥陀三尊像
ご本尊は阿弥陀三尊像。
中央に阿弥陀如来、両脇を観音・勢至菩薩という配置。
像高はいずれも1メートル弱(中尊:89.1 cm、左脇侍75.4 cm、右脇侍76.1 cm)ですが、けっこう大きく見え、なかなか迫力があります。
仏像の制作技法としては木心乾漆像(もくしんかんしつぞう:木で原型をつくり、その上に麻の布をうるしで貼りかためたもの)です。
天平時代の作とは思えないほど、ほどよいツヤがあり、鈍く光る金色が渋くて素敵でした。
阿弥陀如来は、親指と薬指で輪をつくり、説法印(転法輪印)(※)を結んでいます。
阿弥陀如来といえば阿弥陀定印が多いので、説法印は少し珍しい感じがしました。
(※)下品中生印と見ることもできますが、「阿弥陀如来が9つの印相を結ぶ」という考えが広まったのは江戸時代(元になっている『観無量経寿』というお経には印相の記述はない)だそうで、興福院の阿弥陀さまは天平時代の作なので、説法印と考えるのが妥当なようです。
普段は要予約のお寺なので、こんなに有名な仏像がいらっしゃるとは思ってもいなかったです。
常時公開にしたらかなり人が来るんだろうな、と思ったのですが、どうやらお寺のほうの人手が足りないみたいです(→お寺の方が他の拝観者さんにそう言っているのを小耳にはさみました)。
その他 境内の写真
境内がゆるやかな斜面にありますので、自然が豊かですし、いい意味でひっそりとしています。眺望も独特な感じがします。
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拝観時間・料金
●通常、拝観には予約が必要となります(12~2月、7・8月は拝観不可)。
拝観時間・料金等も電話にてお寺にお問い合わせください。
●春と秋に特別公開が実施される場合もあります(特別公開時は予約不要)。
特別公開時の拝観料は大人1000円(※2020年の場合)
特別公開の情報などは奈良県観光公式サイトにアップされます。
>>>興福院|奈良県観光[公式サイト] あをによし なら旅ネット|奈良市|奈良エリア|神社・仏閣|神社・仏閣
アクセス
JR奈良駅から徒歩25分程度。
近鉄奈良駅から徒歩20分程度。
徒歩での詳しい行き方
ホテルリガーレ春日野方面に向かってください。
ホテルに向かって右側に、細い道があります。
「興福院」の石碑が立っているのですぐわかると思います。
この道をひたすら北に進んでください。
興福院の大門が見えてきます。
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周辺の施設情報
・ホテルリガーレ春日野
・大佛鐵道記念公園(モニュメントがあるだけですが……)
・鴻ノ池(こうのいけ)
美しい池を眺めながらひとやすみできるスタバも
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