仏像、ときどきワンダー観光

おもに仏像のこと。不思議スポットやふつうの観光の話もたまにします

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【奈良】興福寺 東金堂 - 維摩居士像と文殊菩薩像が並ぶ

興福寺 東金堂(とうこんどう)

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東金堂(2016年撮影)

興福寺中金堂の東側にある東金堂。
現在のお堂は1415年に再建された建物です。

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仏像がすごい

配尊図

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東金堂 配尊図

東金堂のご本尊は薬師如来坐像。
大きくて迫力あるお姿ですが、こちらを包み込むようなあたたかさも感じるお像です。

薬師如来の両脇には文殊菩薩像と維摩居士像のペア、その外側に日光・月光菩薩
さらに、薬師如来たちを囲むように十二神将四天王が位置しています。

薬師如来の両脇といえば、日光・月光菩薩が定番ですから、文殊菩薩と維摩居士像が入るのは珍しいです。

維摩居士像と文殊菩薩像

中でも個人的に注目するのは維摩居士(ゆいまこじ)像。
(※居士とは、仏教の在家の信者男性を指します)

維摩さんという方は、『維摩経』というお経に登場する在家者(出家していない仏教徒)です。
在家者でありながら、仏教を極めており、弁舌に長けるお方。
私の勝手なイメージだと「ズバッと矛盾をついてくる賢者」といったところでしょうか。

 維摩さんが病を患ったとき、お釈迦さんが弟子たちにお見舞いに行くよう言うのですが、誰も行きたがらない(皆、維摩さんにやり込められた経験があるので)。
そこで、智の象徴・文殊菩薩さんが行くことになります。
維摩さんのお宅で二人が問答するシーンが有名です。

東金堂には、この役者二名がそろっているのです(しかも国宝)。

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東金堂パンフレットを撮影したもの


若者らしくつるりとしたお顔の文殊さんと、壮年を思わせる維摩さん。
維摩さんは、眉間にしわを寄せ、少々厳しい表情をされています。

いざ維摩さんの前に立ってみると、なんだか怒られそうな気がする。
釈迦の弟子たちがお見舞いに行きたがらなかったのもなんとなくわかる気がしました(笑)。

ということはつまり、『維摩経』のワンシーンをうまく再現しているということですから、この維摩さんの像を作った仏師の方の腕もすごいなあ、と思うのです。

ちなみに、興福寺の維摩居士像をつくったのは「定慶(じょうけい)」といわれています。
(鎌倉時代、定慶という仏師は複数人いたのだとか。
維摩居士像をつくった定慶さんは、興福寺専属?の仏師だったようです。)

東金堂にいると、妙に心が落ち着いて、一日の疲れが吹き飛びました。

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興福寺のほかのみどころは?

・興福寺 全体をざっくり紹介ページ

shishi-report-2.hatenablog.com


・運慶の息子たちによる四天王像がいらっしゃる中金堂

shishi-report-2.hatenablog.com

 
・その名の通り、国宝だらけの国宝館
(記事準備中)


開扉日は限られているけれど
・チーム運慶の仏像が素晴らしい北円堂

shishi-report-2.hatenablog.com

 

・チーム康慶(運慶のお父さん)の仏像が感動モノの南円堂

shishi-report-2.hatenablog.com

  

参考文献

維摩経について詳しく知りたい方はこちらが読みやすいです。

100分de名著 『維摩経』 2017年6月 | NHK出版


もっと本格的に学びたい場合は本もあります。

『維摩経』を読む (岩波現代文庫)

『維摩経』を読む (岩波現代文庫)

 

 

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