本記事では、旧奈良監獄の庁舎・収容棟内の様子を紹介しています。
※現在は改修工事中のため、内部見学できません。
旧奈良監獄の全体案内はこちらから>>>【奈良】旧奈良監獄(奈良少年刑務所跡地)全体案内 - ホテル改修前の姿
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構内マップ
① 表門 ② 庁舎 ③ 中央看守所 ④ 収容棟(第一寮~第五寮) ⑤ 第一実習場 ⑥ 医務所 ⑦ 第六寮 ⑧ 隔離病舎 ⑨ 牢舎(ギス監) ⑩ 監獄史料館
見学レポート(庁舎~収容棟~第一実習場)
庁舎へ
表門をくぐって正面にある庁舎。
早速中に入っていきましょう。
庁舎内にはいくつも部屋があるようで、この日はバザーなどのお店も出ていました。
まっすぐ進んでいると、早速中央看守所が見えてきました。
中央看守所
ジオラマからもわかるように、中央看守所を中心として、ここから収容棟(第一~第五寮)が放射状に配置されています。
「ハビランドシステム」というのだそうです。
看守台から各寮が見通せるので、少ない職員で効率的に管理できたのだとか。
1階の様子
空間の中央には看守台があり、そのあたりから2階を見上げるとこんな景色。
1階からも2階の様子がある程度わかるようになっています。
2階にも上がってみましょう。
2階の様子
基本的な構造は1階と同じ。
中央に看守台があり、そこから各寮を見通せる構造です。
2階はこの先は立ち入ることができませんでしたので、写真を載せていきます。
なんだか新幹線っぽい、と思うのは私だけでしょうか。
明治時代の建築物でありながら、無機質に並ぶドアのせいか、どこか未来的な感じさえ受けます。
通路も透けていて、1階2階ともある程度監視の目が届くようになっています。
なお、看守所2階から、講堂やクラブ活動室にもアクセスできるようです。
講堂は、講演、映画鑑賞や雨の日の運動場としても使われていたのだとか。
収容棟(第一寮~第五寮)
中央看守所1階に戻り、そこから放射状に延びる、各寮(収容棟)を見学していきます。
看守所から一つの寮を見通すとこんな感じ。
窓がところどころにあって、また、二階からの光も入るため、採光は考慮されているのですが、やっぱり暗い感じです。
また、この日は11月にしては暖かく、20℃くらいあったのですが、収容棟はかなり冷えました。
重厚感のある冷えというか……石造の大きな建物独特のしんとした冷えを感じました。
真冬は相当寒かったのではないかと。
(とはいえ、建てられたのは明治時代ですから、当時の木造の民家よりよほど暖かった可能性も)
この通路を奥に進んでいきます。
独居房
これだけ扉が並んでいると、もはや壮観とも言ってしまいそうです。
扉を拡大してみます。
監視用の窓やら、食事を授受するためのの小窓やら、いろいろくっついてますね。
独居房内部を見てみましょう。
広さは4.7m2だそうです(現在の刑務所の単独室は7.5m2 )。
ほとんどの独居房を見学することができたのですが、とても傷んでいる部屋やら和式トイレの部屋もあり、改修しながら使ってきたのだなあ、という印象をうけました。
各部屋に必ず設置されていたのが、放送機器。
集合をかけたりするのに必要だったのでしょうね。
あと、これも必ずあったのですが……なんだろう。
昔の流し台の名残ですかね。
驚いたのは、(当然ではありますが)壁が厚いこと!
改修のための調査か何かで、独居房の壁をくりぬいてある部屋があったのですが。
だいぶ分厚いですね。
まあ、薄かったら、突破されてしまいますから当然ではありますが。
雑居房
3人収容できる雑居房も見学できました。
扉などは独居房を同じですが、3人収容ということで、独居房より広い9.6m2(現在の刑務所は6人で25m2)。
お手洗いに目隠しもついています。
和式でした。
共同生活を送る場所だからでしょうか、少し日常感を感じられる雰囲気がありました。
独居房よりも明るい感じ。
まあ、共同生活は共同生活で、揉め事が起こったりして、大変そうという気もしますが……。
収容棟その他の写真
収容棟の通路を歩いていると、窓から他の建物が見える箇所も。
監獄の中とは思えないような雰囲気です。
明治時代にここに入った人々は、逆に驚いたのではないかな、と思いました。
2階への階段も格子と鍵が(すでに撤去されているところもありましたが)。
こういってはアレかもしれませんが、美しいです。
こちらは中央看守所1階付近にあったトイレですので、看守用でしょうか??
パッと見、小便器しかないような??
小便器の隣が個室なのかなと思ったんですが「残飯樽入」と書かれていますので、ちょっと違いそうな気も。
収容棟の外観
収容棟を外からみてみましょう。
庁舎(中央奥)とつながっているのがよくわかります。
写真の右側に写っているのが第一寮です。
もはやここが日本だとは思えません。
各独居房には数字がふられています。
かなり雰囲気がありますね。
⑤第一実習場
レンガ造りの収容棟とつながっている、第一実習場(灰色の建物)。
こちらも明治の建物。
実習場は刑務を行う場所。
収容棟から直接アクセスできるようになっています。
内部はこんな様子。
医務所・第六寮・隔離病舎などの写真はこちら
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(見学について)
現在、ホテル改修工事中のため、基本的には見学できませんが、クラブツーリズムという旅行会社でたまに見学ツアーを開催しているようですので、ご興味ある方はチェックしてみてください。
(※プロモーションを含みます)
クラブツーリズム