仏像、ときどきワンダー観光

おもに仏像のこと。不思議スポットやふつうの観光の話もたまにします

【奈良】東大寺 大仏殿 - 大きな仏像たちに圧倒されっぱなし

東大寺 大仏殿の仏像


東大寺の大仏殿の建物・仏像について記載しています。
 東大寺の境内全体レポはこちら

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 東大寺 大仏殿 国宝

東大寺大仏殿外観

東大寺 大仏殿

初めて東大寺を訪れたとき、大仏殿の大きさに驚愕しました。
現在のお堂は江戸時代に再建されたもの(1709年)。
幅約57 m、奥行き約50 m、高さ約49 m。

創建当時はもっと大きかったそうで、幅が86 mもあったのだとか。
江戸時代に再建するとき、柱にする木材が調達できず、今のサイズになったそうです。

正面から見てみましょう。

東大寺大仏殿の外観

東大寺 大仏殿

大仏殿の手前にあるのは八角燈籠。奈良時代の創建当時のもの。

大仏殿の入口付近から、建物を見上げてみます。

東大寺大仏殿の軒

大仏殿を見上げる

精密に木材が組まれている感じ、これだけで「うおおお」という感じですよね。

大仏殿には「観相窓」と呼ばれる窓があります。

東大寺大仏殿の観相窓

観相窓

お正月などは、観相窓が開き、外からも大仏さまのお顔を拝観することができます。

(参考)8月14・15日夜間参拝時の様子

東大寺大仏殿の観相窓から大仏の顔がのぞいている画像

観相窓から見る大仏さまのお顔

(詳細記事>>>東大寺 大仏殿 夜間参拝の様子 - 観相窓が開く夏の夜

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東大寺大仏殿の仏像

大仏殿には、大仏さまをはじめとして、大きなお像が5体。
外陣(お堂の外)にはびんずる尊者もおられます。

大仏殿内は撮影自由(ただし、三脚使用はNG)という、仏像好きにはうれしい環境。

大仏さま(盧遮那仏:るしゃなぶつ)

東大寺の大仏殿の廬舎那仏の画像

東大寺 廬舎那仏

「奈良の大仏さま」と呼ばれることが多いですが、正式な像名は「廬舎那仏(るしゃなぶつ)坐像」。

廬舎那仏とは、「仏教の教えを実体化した存在」です。
つまり、奈良の大仏さまは、仏教の概念そのものなんですね。

だからこそこんなにも偉大で巨大なお姿で表現されるのでしょう。

大仏さまの座高は約15 m!
ビルでいうと、5階分くらいですね(1階を3 mとして)。
鼻の穴も、人が通り抜けられるほどの大きさ。
手の平は3 m以上、足のサイズも4 m近くあります。

頭には、螺髪(らほつ)と呼ばれる右巻きにカールした髪のつぶが見られます(如来の特徴)。
現在のお像では螺髪の数は、492個だそうです(※一部外れてしまっているものも含める)>>>よくある質問-FAQ-|華厳宗大本山 東大寺 公式ホームページ


大仏さまの隣にいるのは?

虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ)

大仏様の右脇侍(こちらから見て左側)におられるは虚空蔵菩薩。

東大寺大仏殿の虚空蔵菩薩坐像

虚空蔵菩薩坐像

虚空蔵菩薩は、虚空(広大な世界)に例えられるほどの巨大な知恵と優しさをお持ちの仏。
もっと詳しく>>>虚空蔵菩薩とは? - 巨大な知恵と慈悲で人々を救済&強力な記憶力を授ける

如意輪観音(にょいりんかんのん)

東大寺大仏殿の如意輪観音坐像

如意輪観音坐像

如意輪観音は、智も財も思うがままにかなえてくれるという仏です。

如意輪観音といえば、6本の手を持ち、頬杖をつくようなポーズで考え事をしている姿が思い浮かびますが、東大寺大仏殿の如意輪観音像は違います。
隣の大仏さまと同じようなポーズです。

どうやら、本来は「如意輪観音」として造られたものではなかった、という説もあるようです(本によっては単に「観音菩薩」と記しているものもあります)。

虚空蔵菩薩・如意輪観音とも、現在のお像は、江戸時代に造り直したもの。
京都の山本順慶一門(この工房は中門の兜跋毘沙門天もつくっています)、大阪の椿井賢慶一門が携わっています。

四天王(してんのう)

東西南北の四方向を守護する四天王。
大仏殿には広目天と多聞天がいます(増長天・持国天は頭部のみ)。

本来、広目天と多聞天はお堂の奥側に安置されるのですが、大仏殿では(増長天と持国天が不在のため)手前側におられます。

広目天(こうもくてん)

東大寺大仏殿の広目天立像

広目天立像

はじめにの記事で書いていますが、私が仏像に興味を持つきっかけをくれたがこちらの広目天像(※お堂内の立札には広は旧字体の廣が使用されています)

西の方向を守る守護神。
手に筆と巻物を持っています。
あらゆるものを見通せる目を持ち、見たことを筆で巻物に書きつけます。

お顔をアップにしてみます(迫力におされてブレてしまってますが…)。

東大寺の大仏殿の広目天立像の頭部

広目天 頭部

広目天の前に立つと、目がバチっと合って、時間が止まるような気さえしました。

甲冑にも獣(?)の厳しいお顔。

東大寺大仏殿の広目天立像の甲冑を拡大した画像

広目天の甲冑の一部

なんか、、、視線感じるなと思って顔を上げたとき、この甲冑のお顔と目が合って、とてもビビりました。

視線って、(仏像とはいえ)静物からもバシバシ感じるんだな、と驚きました。

多聞天(たもんてん)

東大寺大仏殿の多聞天立像

多聞天立像

北の方向を守る守護神。
宝塔を捧げ持っています。
広目天よりもスタイリッシュな印象を受けます。

お顔を拡大してみます。

東大寺大仏殿の多聞天の頭部

多聞天 頭部

広目天よりも小顔でしょうか。
甲冑にはけっこう金箔が残っているのがすごいですね。

甲冑の獅噛み(しがみ)を拡大。

東大寺大仏殿の多聞天の獅噛み

多聞天の獅噛み(しがみ)

すごい! 「がおー」とか聞こえてきそう。
獅噛みも甲冑の模様も、きっちり刻まれています。

増長天と持国天(頭部)

東大寺大仏殿に安置されている持国天と増長天の頭部

増長天(手前)と増長天(奥)

本来は四人グループの四天王、ほかのメンバーは?と探してみると、頭部だけいらっしゃいました。

広目天とも増長天ともお顔の雰囲気が違う感じもしますね。

頭部までできているということは、四天王にする予定だったのでしょうけど、何らかの理由で中断してしまったのでしょうか。

外陣にはびんずる尊者

外陣(げじん:お堂の外)にはお釈迦様の弟子のびんずる尊者さん。
日本では「なで仏」の通称のほうが有名ですね。

詳しく>>>びんずる尊者とは? - 「なで仏」とも言われる神通力の持ち主

びんずる尊者

「自身の具合の悪いところを撫でると良くなる」とされるので、摩耗した壮絶なお姿。

最初に拝見したときは、私もびんずる尊者さんがどんなお方なのか知らず、壮絶な容姿にかなり驚いてしまったのですが、怖いお方ではありませんのでご安心ください(むしろ人々に安心を与えてきたがゆえのお姿)。

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東大寺のほかのみどころ

・仏像

shishi-report-2.hatenablog.com

 


・東大寺 境内全体レポ

shishi-report-2.hatenablog.com