仏像、ときどきワンダー観光

おもに仏像のこと。不思議スポットやふつうの観光の話もたまにします

新型コロナウイルスの影響で営業時間などが変更になっている場合があります。

お出かけ前に必ず公式サイト等でご確認ください。

【奈良】東大寺 法華堂(三月堂)- 1000日絶やさずお花を供えた記録が残る、東大寺最古のお堂

法華堂の仏像については>>> オール国宝&3~4メートルの迫力あるお姿
東大寺境内案内(全体)はこちら

東大寺 法華堂(三月堂)

寺院建築物外観

東大寺法華堂(三月堂)

かつて、東大寺のエリアには、金鐘寺(きんしょうじ or こんしゅじ)というお寺がありました。

法華堂は、金鐘寺の伽藍の一つとして建てられたお堂と考えられています(当時は羂索堂と呼ばれていたようです)。

つまり、現在の東大寺において、最古の建物(※)!

(※ 733年創建とされていますが、最近の調査で、法華堂に使われている木材が729年に伐採されたもの、というデータが出ているようです。733年から少し前後する可能性もあるのかも?)

詳しく紹介していきます。

広告- - - - - - - - - -

 



奈良時代の正堂+鎌倉時代の礼堂

法華堂を横から見てみます。
拝観チケットの写真が一番わかりやすいのでそちらを載せます。

東大寺法華堂を横から撮影した画像

法華堂 拝観チケットより引用

一つの建物なのに、屋根が二つあるのがわかりますね。

もともとは、正堂と礼堂が軒を連ねて接するような構造でしたが、鎌倉時代に改築し、2棟をつないだそうです。

つながりの外壁部分を見てみましょう。

東大寺法華堂を横から撮影した画像

法華堂 横から

かなり自然につながっていますね。

拝観受付

お堂正面から入り、拝観料(600円)を支払いました。
法華堂は他のお堂よりも閉まるのが早く、16時で閉館となりますのでお早めにどうぞ。

靴を脱いで、お堂へ上がります。

法華堂の扉の柱に彫られた落書き

たまたま、法華堂東側の扉を閉めるタイミングにお邪魔したため、スタッフの方から貴重なお話を伺うことができました。
資料もいただけたので、詳しく紹介します。

法華堂の東西扉の柱の側面に、昔の人が残した落書きがあります。

落書きというよりは、小刀で強く彫りつけた、という感じで、意志の強さを感じました。
一部薄くなって見えづらいところもありましたが、はっきりと文字を認識できる部分も多かったです。

イメージはこんな感じ。

東大寺の法華堂の東扉のイラスト

法華堂 東扉 落書きイメージ

北側の柱に書いてあるのは「久安五年四月十四日自千日花奉始畢」。
現代風に言うと「1149年4月14日より、1000日忘れずに仏さまにお花をお供えします」という決意です。

時代は平安時代の末ごろで、飢饉や疫病が流行り、世の中に閉塞感が漂っていようです。
少しでも世の中がよくなるように、と僧の方が始められたのでしょう。

お花をお供えする、というと簡単なことに聞こえるかもしれませんが、大昔ですので、お花屋さんなどない時代。
つまり、お花の咲かない冬を3シーズン乗り越えねばならないわけです。
けっこう大変そうですよね。
全くお花がない日は、シキミの小枝、ということもあったようです。


そして、もう一方の柱には「仁平元年十二月卅日」とあります。
西暦に直すと「1151年12月30日」です。
これは1000日間お花を供えるという願いを達成した日のこと。

(※いただいた資料によると、1149年4月14日~1151年12月30日の期間は、1000日間ではなく、992日間になるようです。なぜ8日早いかなどは、まだよくわかっていないようです)

また、今回は見学できませんでしたが、西側の扉にも、お花を1000日備えた記録があるそうです(期間:1132年11月28日~1135年8月23日。1132年ですので、西側のほうが時代的には先ですね)。

1000日続けてみよう お花をお供えする気持ちで

1000日お花を供える話を伺ったときは、「へえ~、面白い話聞いた~」くらいのテンションでした。

その後、法華堂の仏像たちに手を合わせていると、うかがった話がじわじわと心に響いてきました。

というのも私、コツコツと何かを継続するということが苦手な人間でして。
何かをやろうとするとき、いきなり根を詰めてしまって、すぐに嫌になる、というパターンを繰り返してきたのです。

結果、というか、わかりやすい見返りをつい求めてしまうのですね。
労力をかけたことによる成果が、その労力分(できれば増幅して)すぐに返ってこないと嫌、みたいな。

そんな私が、何かを続けるには、「仏さまにお花を供える気持ちで」取り組んだらいいのではないか、と気づかされました。

お花をお供えするときの気持ちって、穏やかな気持ちだと思います。
「お花に囲まれて、仏さまも喜んでくれているな」という感じでしょうか。
あるいは「世の中がよくなりますように」という願い。

少なくとも「このお花供えるんだから、何かご利益ちょうだいよね!! くれないならやらないから!」と強く思いながら、という人は少ないと思うのですよね。

「自分の行いで、ほんの少しでも、世の中がよくなるといいな」という気持ちでいられると、1000日も続けられるのかもしれませんね。

東大寺法華堂、忘れられないお堂になりました。
仏像については次の記事で詳しく紹介します。
>>>東大寺 法華堂の仏像たち - オール国宝&3~4メートルの迫力あるお姿

広告- - - - - - - - - -

 



東大寺のほかの記事をさがす

・法華堂は建物だけでなく、仏像もすごいです!

shishi-report-2.hatenablog.com


・全体案内はこちらから

shishi-report-2.hatenablog.com