2022年7月16日~8月28日に奈良国立博物館で開催された「はっけん!ほとけさまのかたち」の観覧記録です。
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どんな展覧会?
・仏像の「かたち」に注目
・仏像の基礎をやさしく解説
・如来菩薩明王天の特徴がわかる
仏像といえば、如来・菩薩・明王・天の4カテゴリーに大別されるわけですが。
カテゴリーごとに、解説と実物(仏像)が展示されていて、非常にわかりやすい構成でした。
クイズ形式になっているのがよかった
会場入口でクイズ形式の冊子をもらいました。
大人も子どもも、みなさんこぞってクイズに挑戦していました。
(人って、何か「問われる」と答えを探す習性があるんだな、と実感。「問いかけが大事」とききますが、本当にそうだな、と)
仏像も学びだすととても奥が深いので、これで網羅できるわけではもちろんありませんが、すくなくとも「目の前の仏像をしっかり見る(観察)」という点はクリアできるので、いい仕組みだなと思いました。
特に、十一面観音の後頭部のお顔が笑っていることとか、相当じっくり観ないとなかなか気づかないと思うので、「これはいい問題だわ」と思いました(謎の上から目線ですみません)。
天部の説明がよかった
私は仏像の種類をひととおり記事にしているので、そこそこ詳しいほうだと思うのですが、それでも特徴がつかみにくいのが「天(部)」。
古代インド出身の神様が多いのですが、日本に来るまでの過程で姿が変わっていったりして、いでたちも様々。
なかなか簡潔に説明するのが難しいのですが、「こんな特徴あったら天」とパネルにまとまっていて、勉強になりました。
かんたんにメモしたので抜け漏れあるかもですが、自分用備忘録も兼ねて記載します。
【こんな特徴あったら天】
・鎧をまとう(→四天王系)
・上半身裸(→金剛力士系)
・黒髪をゆったり丸めている(→弁財天系。螺髪の如来、高く結い上げる菩薩、逆立てている明王と異なる)
・頭部だけ動物(→八部衆の一部など)
・袖口の広い服(→天女系)
・丈の短いズボン(→大黒天系)
・蓮(蓮華)には乗らない
(→天が乗るのは、敷物・蓮の葉っぱ・岩場・邪鬼)
こうして書くと、「なんとなくこう」とぼんやりしていた知識がまとまってスッキリします(ありがとう奈良博)。
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おわりに
仏像の魅力を伝えるのはなかなか難しいと実感中。
年月が経過して塗りが剥がれているものも多いので、そもそもの色味が渋いですから、子どもさんとか、派手なものが好きな人からすると「全部同じに見え」ますものね(私自身も若い頃はわりとそんな感じだったのでわかる)。
そんな難易度の高い解説を子ども向けに行っている「わくわくびじゅつギャラリー」、よく工夫されているなと感じて応援したくなりました。