仏像、ときどきワンダー観光

おもに仏像のこと。不思議スポットやふつうの観光の話もたまにします

【奈良国立博物館】5メートル!金峯山寺の金剛力士立像が奈良博にやってきた(~令和10年頃までの予定)

金峯山寺(きんぷせんじ)の金剛力士立像が奈良博で見られる

金剛力士立像が二体並んでいる画像

金剛力士立像(なら仏像館にて撮影)

奈良県の吉野郡にある金峯山寺(きんぷせんじ)。
金峯山修験本宗の総本山です。

金峯山寺の仁王門が現在修復中ということで、仁王門にお住まいの金剛力士たちが、奈良国立博物館の「なら仏像館」に仮住まい中(令和10年度終了予定)。

間近で見るとものすごい迫力でしたので、詳しい感想を書いていきます。

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金剛力士立像の写真

南北朝時代(1339)の仏師・康成(こうじょう)の作です。
南都仏師・康俊(こうしゅん)の息子さん。

「康」の字がつくので、康慶(慶派)の系統かと思いきや、ちょっと作風が違うのだとか。

向かって右に阿形(口を開けている)、左に吽形(口を閉じている)という配置でした。

阿形

奈良国立博物館に展示されている金剛力士像の全身の画像

金剛力士像(阿形)

お像の正面に立ち、見上げたところ。
像高約5メートルなので、首が痛くなってきます。

手に握っているのは金剛杵(こんごうしょ)。
このアイテムで仏法を守っています。

目が合う位置に移動してみましょう。

奈良国立博物館に展示されている金峯山寺の金剛力士立像の画像

金剛力士立像(阿形)全身

腰巻のたなびき方がいいですよね。

上半身も筋骨隆々です。
シックスパックどころではない腹筋の割れ方をしています。

奈良国立博物館に展示されている金峯山寺の金剛力士立像の画像

金剛力士立像(阿形)上半身

脇の下にも血管が通っていることに気づきました。

奈良国立博物館に展示されている金峯山寺の金剛力士立像の画像

金剛力士立像(阿形)上半身・横から

お顔をアップにしてみます。

奈良国立博物館に展示されている金峯山寺の金剛力士立像の画像

金剛力士立像(阿形)お顔

つ、強い!
今にも炎でも吐き出しそうな迫力!
りりしさも感じますね。

吽形

奈良国立博物館に展示されている金峯山寺の金剛力士立像の画像

金剛力士立像(吽形)全身

目が合うポジションに回ってみます。
博物館ではいろんな角度から観られるのがとても嬉しい。

奈良国立博物館に展示されている金峯山寺の金剛力士立像の画像

金剛力士立像(吽形)全身

姿勢が大変良くてかっこいいです。

お顔のアップを。

奈良国立博物館に展示されている金峯山寺の金剛力士立像の画像

金剛力士立像(吽形)頭部

縫いつけたかのようにかたく口を閉じておられます。

横顔。
けっこう彫りが深いのですね。

奈良国立博物館に展示されている金峯山寺の金剛力士立像の画像

金剛力士立像(吽形)横顔

たいへん頑丈そうな足。

奈良国立博物館に展示されている金峯山寺の金剛力士立像の画像

金剛力士立像(吽形)足

血管の感じがリアルです。

どうやって搬入したんだろう?

像高5メートル超(阿形 505.8 cm 吽形506.2 cm)の巨像が、(博物館とはいえ)室内におられるという状況にまず驚きました。

どうやって搬入したんだ??と思っていたら、奈良博の公式Youtubeに搬入の動画がありました!

一旦腕を取り外して胴体だけにして、横に倒した状態で運搬。
クレーンで吊り上げながら博物館の入口を通し、中に入れてから立たせるという。
すごい。
法要も含めて、いろんな人の力があってこそ拝観できるんだ、と感動してしてまいました。

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おわりに

仏像ファンにとっては垂涎ものの「なら仏像館」。

ではありますが、仏像のことをあまりよく知らない人にとってはややインパクトが弱いのかもしれない、と感じていました(私自身は年パスで通う人間ですが>>>【奈良国立博物館】年パス持ちのファンがつづる観覧ガイド【総合】)。

なんたって、近くに東大寺も興福寺もありますからね。
仏像について、まだあまりよく知らないという方であれば、東大寺の大仏さまをはじめとする巨像とか、興福寺の阿修羅像のほうがインパクトが強いでしょうから。
(なので、あまり仏像に興味がないかもしれない友人には、仏像観賞のお試し体験編として東大寺をおすすめしたりします)

でも、期間限定とはいえ、迫力満点の金剛力士像たちがいらしたことで、「なら仏像館もいいよ!今、吉野の金峯山寺の仁王さまいるよ!」と声を大にして言いたいと思います。

金峯山寺の金剛力士像は、東大寺のお像よりはやや小さい(東大寺の金剛力士像は8メートル級!)ものの、博物館という空間で、いろんな角度からじっくり観られるので、本当におすすめですね。

室内なので、雨の日や暑い・寒い日にもおすすめです。

令和10年頃までは常設展示ですので、名品展のチケット(一般:700円)で観覧できます。
※ 特別展をご覧になる場合は、名品展のチケットも付属していることがあるので、同時に観覧可能なことが多いです。
ただ、観るものがありすぎて頭がパンクしそうになるので、別日に分けても良いかもしれません。

奈良国立博物館に関する記事

shishi-report-2.hatenablog.com

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