代表的な四天王像リスト
本記事では、四天王(持国天・増長天・広目天・多聞天)像を拝観できるお寺を紹介しています。有名かつインパクト強めのラインナップです。すべて奈良になってしまいました。
〇東大寺
巨像(2体のみ)→大仏殿
奈良時代の乾漆像→法華堂
渋い表情の塑像→戒壇堂〈改修中は東大寺ミュージアム〉
〇興福寺
運慶の息子たちによる四天王像→中金堂
〇法隆寺
日本最古&温和な貴人風四天王→金堂
以降、くわしく紹介していきます。
四天王って何?という方は先にこちらの記事をどうぞ>>>【基礎知識】四天王とは? - 東西南北に立ち仏教を守る四人(神)組
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奈良 東大寺
東大寺の別名は「四天王護国之寺(してんのうごこくのてら)」。
意訳すると「国の平安を守る四天王のお寺」という感じでしょうか。
「四天王」の名がつくだけあって、東大寺境内には複数の四天王グループがおられます。
どのグループも、それぞれに個性があるので、すべて推したいと思います。
巨像の迫力に圧倒されたい → 大仏殿へ(広目・多聞)
持国天と増長天は頭部のみのため、全身を拝めるのは広目天と多聞天となりますが、どちらも迫力満点です。
広目天は、私にとっては仏像探訪の原点。
私を仏像世界に引き込んだお方です。
初めて拝観したときに感動して、「あのすごい仏像は一体どなた??」という疑問が止まらず(知識ゼロでした)、そこからいろいろ調べるようになりました。
豪華な印象の多聞天も魅力的。
甲冑の模様や獅噛み(ベルトを噛む獣)も精巧で、見ていて飽きません。
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御年約1300歳の四天王 → 東大寺・法華堂へ
法華堂は東大寺で唯一、創建当時から残っているお堂。
そこにおられる仏像たちも、長い長い年月を生き抜いてこられました。
法華堂ができたのが733年と伝わっているので、そこから仏像を作り始めたとしても(この世における)御年は1250歳は越えていますね。繰り上げて1300歳と言ってしまってもよさそう。
乾漆(かんしつ)像という、古い時代ならではの質感がポイント。
どっしりとした、体格の良い四天王に会うことができます。
詳しくは>>>東大寺 法華堂の仏像たち - オール国宝&3~4メートルの迫力あるお姿
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千里眼発動中⁉ 眉間にしわ寄せ渋い表情の広目天(を含む四天王) → 戒壇堂(現在戒壇堂修復中のため、四天王は東大寺ミュージアムにご移動中)
とても有名なお像で、表情が秀逸です。
木の芯に粘土を盛って造られています。
広目・多聞は写真のような渋い表情ですが、持国・増長は目をひんむき、迫力あるお顔。
通常は戒壇堂におられるお像ですが、2021年5月現在改修中のため、東大寺ミュージアムにお出ましのようです。
(四天王については触れていませんが、東大寺ミュージアムについて>>>東大寺ミュージアム - ぽっちゃりぎみの千手観音と日光・月光菩薩 )
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奈良 興福寺
チーム運慶による四天王 →中金堂へ
興福寺も仏像が素晴らしいお寺。
興福寺といえば阿修羅像のイメージがありますが、運慶の息子たちによって造られた四天王も見逃せません。
以前は北円堂におられたようですが、中金堂が再建されてからはそちらに移動されました。
特に、すさまじい表情で敵をにらみつけている増長天(以前は持国天と呼ばれていたそうですが、最近の調査で増長天と判明したようです。中金堂パンフレットより)が印象深い。
この表情で睨まれて怖くない人はおるまい、というレベルの忿怒相。
甲冑の胸当てにも、鬼(サルっぽく見えますが鬼だそう)が彫られていて、さすが、、、としか言いようがないです。
ちなみに、運慶の次男・康運が担当。
>>>興福寺 中金堂-300年ぶりに再建されたお堂 四天王(慶派作)の迫力もすごい
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奈良 法隆寺
温和な貴族風の四天王(日本最古) →金堂へ
四天王といえば、甲冑を着た武将の姿が一般的ですが、古い時代のものは貴族風のお姿をしています。
すっくと立つお姿はどこか神秘的。
武将スタイルの四天王に慣れていると、ちょっと違和感ありますが、むしろ貴人スタイルのほうが元の形なんですね。
関連記事>>>法隆寺 金堂 - 国宝の釈迦三尊像(飛鳥時代)は必見
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(参考)ちなみに……大阪の四天王寺はどうなの?
大阪の天王寺にある「四天王寺」って、ダイレクトにお寺のお名前だし、四天王像も古いものがありそうな気がしますよね。
ですが、度重なる焼失によって、再建が繰り返されており、現在のお像はほとんど昭和に造られたもののようです。
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まとめ
四天王像、どのお寺から拝観したらいい? という場合は、有名かつインパクト強めの仏像として
〇東大寺
・大仏殿(巨像)
・法華堂(奈良時代の乾漆像)
・戒壇堂〈改修中は東大寺ミュージアム〉(渋い表情の塑像)
〇興福寺
・中金堂(運慶の息子たちによる四天王像)
〇法隆寺
・金堂(日本最古、温和な貴人風四天王)
を挙げてみました。