誕生寺(たんじょうじ)
どんなお寺?
・中将姫が生まれた地とされる
・中将姫の産湯に使った井戸や直筆のお経も
・地下に石仏のある極楽堂も興味深い
中将姫についてはこちら
通常は要予約ですが、イベント(路地ぶら ならまち・きたまち)にて本堂&極楽堂を拝観できました。
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お寺までの道のり
近鉄奈良駅を下車、東向商店街→餅飯殿商店街→下御門商店街→ならまち大通りを渡ってひたすらまっすぐ。
徳融寺を過ぎて右手にありました。
中将姫が生まれた場所とされるので「誕生寺」なんですよね。
門前には小さいお堂もあって、青面金剛像などがお祀りされていました(ならまちの風習「庚申待ち」に関連と思われる)。
では、境内にお邪魔します。
拝観レポート
比較的こぢんまりとしていて、門をくぐるとすぐ本堂。
本堂
イベント中だったため、ボランティアスタッフさんに詳しく説明してもらいました。
誕生寺の山号は「異香山」なのですが、中将姫がお亡くなりになったときにとてもよい香りがしたからだそう。
お堂内、須弥壇中央に中将姫坐像。
一般的に、ご本尊といえば如来や菩薩なので、尼僧(女性のお坊さん)像がまつられるのは珍しいと思います。
お厨子にそっと身を潜めているような感じで、表情もまた「静」の印象でした。
写真も撮らせていただけたのですが、載せていいかはわからないので、お像が見えない角度で須弥壇の様子を。
また、中将姫が修行として千巻書いたというお経も、残っており、展示されていました。
お堂の奥(向かって左側)には長谷寺式の十一面観音像と中将姫のお父さん(豊成)&お母さん(紫の前)のお像。
なぜ十一面観音かというと、長谷寺の観音さまに子授けをお願いしたら叶ったからだそう(なので、長谷寺と同じく、難陀龍王と雨宝童子の小像も安置されている)。
ただし、子授けのお願いをしたときに、「誰かの命と引き換えになるかも」と言われていたそうで、のちにお母さんが亡くなったのだとか。
その後、お父さん(豊成)が再婚して、中将姫が継母にいじめられて…のエピソードにつながるわけですね。
お堂奥の右手には、阿弥陀如来像など。
たくさんの小さなお像が入るタイプのお厨子も2つありました。
お庭へ
本堂を拝見した後、お庭のほうへ。
中将姫が生まれたときの産湯につかったという井戸。
この娑婆堂から極楽堂に向かって、中将姫を浄土に導いた二十五菩薩の石像が並んでいます。
極楽堂
お庭の小高い場所に建てられています。
イベント期間中ということで、戸を開いて見せていただけました。
正面には阿弥陀三尊像で、ここだけ見ていると普通のお堂なのですが、なんと、お堂の地下に石仏が!
中将姫のお父さん(豊成)が、長谷寺に通ううちに見つけて持ち帰ったものといわれているんだとか。
こういったタイプのお堂は初めて拝見したので、すごく新鮮でした。
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おわりに
中将姫といえば、出家先の当麻寺が有名ですが、はじまりの地「誕生寺」も重要な場所。
ボランティアスタッフさんや拝観にいらしてる方々、みなさんわりと中将姫ファンといった感じで、穏やかな空気感で癒されました。