トーハクこと東京国立博物館にて2018年に開催された仁和寺展、会期後半の感想です。
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展示物が結構入れ替わっていた
今回のお目当ては会期後半(2月14日~)に公開となった葛井寺の千手観音。
最低限、葛井寺の千手観音だけ観られれば、と思って会場入りしたのですが、会期後半から新たにお出ましになった展示物もけっこうあって、意外と新鮮でした。
仏画などは同じテーマでも別の作者が書いたものに変更されていたり。
印象に残っているのはこちら。
円勢・長円作の薬師如来坐像(国宝)です。
像高12センチメートル、手のひらサイズ。
小さいけれど、大変見応えがありました。
なんといっても彫刻が非常に細かい!もちろん巧いし丁寧。
これは確かに国の宝だ…と思いました。
どうしたらこんな細かい仕事ができるのか摩訶不思議です。
やっぱり、写真で見るのと実物を前にするのでは得られる情報が全然違うものです。
混雑していて、じっくり観るわけにはいかなかったのが少し心残り。
また観たいな、と思ったのですが、秘仏なのですね。
そう簡単にはお会いできないかも。
葛井寺の千手観音
けっこう大きくて迫力があります(像高は97.9センチメートルだそうですが、幅があるので大きく見えた)。
大手・小手合わせて1041本!
千手観音像は、40本の手で千手をあらわすのが一般的だが、本像は大手・小手合わせて1041本をもち、合掌した手を中心に、千の手が広がる本像の表現は見事である。千本以上の手をもつ千手観音像は、本像しか確認されていない。
(パンフレットより引用)
手たちは一本一本が美しかった。
手のひらをしなやかに開いているものもあれば、指を少し曲げているものも。
全て同じ手だと違和感があるのかもしれませんが、一本一本にそれぞれ表情があるため、手が1041本もあるという不自然な状況でありながら、実に自然でした。
手たちは背中側から前に向かってぐわっと伸びているような感じです。
写真では平面的な印象を受けていたので意外でした。
葛井寺では毎月18日と8月9日のみ開帳だそうですが、厨子の中にいらっしゃるので、細部まではよく見えないのだそうです。
本展示では後ろ側までバッチリ見ることができました。
本場で見るのも風情があっていいし、こうして博物館で見るのも新たな発見があっていいですね。
週刊ニッポンの国宝100 35 葛井寺千手観音/薬師寺吉祥天像(フジイデラセンジュカンノン ヤクシジキッショウテンゾウ)[分冊百科] (2018年6/ 5号)
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おわりに
他の仏像たちは会期前半と変更なしなので、拝見するのは二回目ですが、結構忘れていたりしたので、楽しかったです。
待ち時間なしとはいえ、会期終了間際なので混雑していました(展示に気をとられて立ち止まっていると隣の方にぶつかってしまうレベル)。
やっぱりこういう特別展などは終了間際じゃなくて、早めに行くのがよろしいかと。
効率もいいし、ゆったり見られるので。
気になったものはお早めに。
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