十六羅漢(じゅうろくらかん)とは?
「羅漢(らかん)」とは、「悟りを開いた修行者」のこと。
十六羅漢は、お釈迦様が亡くなったとき、「仏教をたのむ」と遺言を託された十六人の弟子たち(※)です。
(※)玄奘というお坊さんが訳した『法住記』に記載。
詳しい特徴を見ていきましょう。
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十六羅漢メンバー
1:濱度羅跋羅堕闍尊者(びんどらばらだじゃそんじゃ)
2:迦諾迦伐蹉尊者(かなかばっさそんじゃ)
3:迦諾迦跋釐堕尊者(かなかばりだそんじゃ)
4:蘇頻陀尊者(そひんだそんじゃ)
5:諾矩羅尊者(なくらそんじゃ)
6:跋陀羅尊者(ばだらそんじゃ)
7:迦哩迦尊者(かりかそんじゃ)
8:伐闍羅弗多羅尊者(ばしゃらほったらそんじゃ)
9:戎博迦尊者(じゅはくかそんじゃ)
10:半諾迦尊者(はんたかそんじゃ)
11:羅怙羅尊者(らごらそんじゃ)
12:那伽犀那尊者(なかさいなそんじゃ)
13:因掲羅尊者(いんかだそんじゃ)
14:伐那婆斯尊者(ばなばしそんじゃ)
15:阿氏多尊者(あしたそんじゃ)
16:注荼半託迦尊者(ちゅうだはんたかそんじゃ)
『イラストでわかる日本の仏さま』Kindle版位置No.1204
漢字が難しくて何が何やらという気分ですが、代表的な方をピックアップします。
びんずる尊者
この中でもっとも有名なのは「びんずるさん」こと濱度羅跋羅堕闍尊者(びんどらばらだじゃそんじゃ)。
神通力を人前でみせびらかしたのをお釈迦さまに怒られたとか、お酒を飲みすぎたとか、人間味あるエピソードが伝わるお方です。
「なで仏」としての役割もあり、様々なお寺でお見掛けしますが、とくに長野の善光寺が有名でしょうか。
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羅怙羅(らごら)尊者
また、羅怙羅尊者(らごらそんじゃ)は、お釈迦さまの実の息子さんで、十大弟子メンバーにも入っています。
十六羅漢像の実例
仏画はけっこうあるようなのですが、十六体セットのお像は例が少ないようです。
(調査不足かもしれませんが、いまのところ)以下が有名のようです。
山形県遊佐町 十六羅漢岩
海の岩礁に彫られた仏像群(磨崖仏:まがいぶつ)。
十六羅漢+釈迦+文殊・普賢+観音・舎利弗・目連の全22体。
日本海の荒波で命を落とした人々の供養のために彫られました(明治元年完成)。
岩手県盛岡市 らかん児童公園(元宗龍寺)
「えっ?なぜ公園に十六羅漢像?」と一瞬びっくりしたのですが、元お寺だった場所なのですね。
江戸時代、飢饉でたくさんの人が命を失い、餓死者を供養するため、祗陀寺の天然和尚がお像の建立を計画(設置場所は末寺の宗龍寺)、13年後に完成。
しかし、宗龍寺は明治維新後に廃寺(のちに焼失)となり、仏像のみが残ることになったそうです。
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おわりに
十六羅漢も十大弟子も、お釈迦様の弟子というところは共通なので、「どう違うんだっけ?」となりがちですよね。
十六羅漢:釈迦が亡くなるときに後を託されたお坊さんたち
十大弟子:後世になってから功績などを踏まえて選抜されたお坊さんたち(殿堂入りみたいな感じですかね)
と私は理解しております(また勉強して追記します)。
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参考文献