十大弟子(じゅうだいでし)とは?
十大弟子は、お釈迦さまの直弟子(1250人くらい!いたとされます)のうち、とくに優秀な10人のお坊さん。
仏教への貢献などの実績をもとに、後世になってから選ばれました。
詳しい特徴を見ていきましょう。
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十大弟子メンバー
出家した順に並べていきます。
写真は東京国立博物館にて開催された「快慶・定慶のみほとけ」の出陳リストより引用しています。大報恩寺の十大弟子(快慶チーム作)のお像です。
舎利弗(しゃりほつ)
頭脳明晰なお方。
釈迦の弟子になる前から優秀で、すでに弟子がいたそう。
(釈迦よりも先に亡くなっています)
目楗連(もくけんれん)
舎利弗とは元々知り合いの仲。
神通力が使えたお方らしいです。
(釈迦よりも先に亡くなっています)
大迦葉(だいかしょう)
苦行に耐え、清貧を貫いた方。
お釈迦さまが亡くなった後、お経の編集会議では代表を務めた人物。
阿那律(あなりつ)
説法中に居眠りをしたことを反省し、不眠不休で修行したところ、失明してしまったというお方。しかしその失明により、心の眼を得たのだとか。
須菩提(すぼだい)
何事にも執着しない、がモットーだったお方。
仏教の「空」の思想に詳しく、関連のお経にもよく登場。
富楼那(ふるな)
富楼那は説法が得意で、外国での布教も目指していたそう。
迦旋延(かせんえん、かせんねん)
理論家で、問答が得意だったそうです。
アシタ仙人(釈迦誕生のときに仏陀となることを予言した)の弟子で、仙人の命で釈迦の弟子となった人。
優波離(うぱり)
戒律を守ることを重視したお方だそうです。
羅ご羅(らごら)
(らごらの「ご」にあたる漢字がなかったのでひらがなにしています)
お釈迦さまの実の息子さんです。
綿密に、隅々まで精進した方といわれています。
阿難陀(あなんだ)
お釈迦様の話を一番多く聞いた方だったそう(お世話係もしていたようです)。
お経は阿難陀の記憶を頼りに編纂されているそうです。
美男子だったので、阿難陀目当てにやってくる女性信者も多かったのだとか。
十大弟子像の実例
奈良 興福寺 国宝館
お釈迦様の弟子なので、十大弟子もインド人なのですが、興福寺のお像は日本人の顔をしているのが特徴。
そのほうが日本人にとっては親しみがわきやすく、仏教の思想も理解しやすいということなんでしょうかね。
私自身も、初めて十大弟子を拝観したのが興福寺だったこともあり、十大弟子は日本人だとしばらく勘違いしていました。
興福寺公式サイト>>>乾漆十大弟子立像
京都 大報恩寺
私はお寺ではなく、東京国立博物館にて開催された「大報恩寺 快慶・定慶のみほとけ」にて拝見しました。
快慶工房の作ということで、写実性がすさまじく、感動しました。
shishi-report-2.hatenablog.com
大報恩寺は慶派の仏像の宝庫。私も改めて行ってみたいと思っているところです。
公式サイト>>>みどころ|千本釈迦堂 大報恩寺
京都 清凉寺 霊宝館
元は本堂におられましたが、現在は霊宝館におられるそうです。
春(4・5月)と秋(10・11月)に公開。
公式サイト>>>参拝案内 | 清凉寺(嵯峨釈迦堂)
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おわりに
興福寺の国宝館で初めて十大弟子を見た2016年には「へー」としか思わなかった私。
あれからわからないなりに仏像を見続け、(超簡単にではありますが)十大弟子の記事を書けるくらいには知識がついたのだなあ、と勝手にしみじみしています。
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shishi-report-2.hatenablog.com
参考文献
仏像の見方ハンドブック-仏像の種類と役割、見分け方、時代別の特徴がわかる (池田書店のハンドブックシリーズ)