仏像、ときどきワンダー観光

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【基礎知識】降三世明王とは? - 三世(過去現在未来)にわたり三毒(煩悩)を鎮める仏

降三世明王(ごうざんぜみょうおう)とは?

【東寺監修 公認】降三世明王(ごうざんぜみょうおう) ミニチュア仏像【空海 立体曼荼羅21体 真言宗開宗1200年記念】


明王カテゴリでは不動明王の次に格が高い降三世明王(ごうざんぜみょうおう)。
過去・現在・未来の三世で、三毒(むさぼり・怒り・無知)を抑え鎮める仏です。

悪い行いをした人を制したり、戦勝祈願の本尊として崇められることもあるようです。

降三世明王には独特の特徴がありますので、他の明王とも見分けがつきやすいと思います。詳しい特徴を見ていきましょう。

 降三世明王の特徴

大自在天(シヴァ神)と烏摩妃(奥さん)を踏んでいる

これが一番目立つ特徴かなと思いますが、右足で大自在天(インドのヒンズー教のシヴァ神)、左足で大自在天の奥さんの烏摩妃(うまひ)を踏んでいます。

トーハク「仁和寺と御室派のみほとけ」チラシに映っている降三世明王像の足元を撮影

シヴァ神夫妻を踏んでいる!(トーハク「仁和寺と御室派のみほとけ」チラシを撮影)

私は初めて降三世明王像を観たとき、「(ヒンズー教のことは良く知らないけれど)シヴァ神って、神様だよね? 神様踏んでいいの!?」と思いました。

大自在天(シヴァ神)は、仏教の教えに従わず、「自分がすべての世界(三世)の主だ」と主張したために、降三世明王に降伏(=抑え鎮める)されたのだそうです(だから「降三世」「勝三世」と呼ばれるようになったようです)。

シヴァ神を踏みつけることによって、仏教はヒンズー教よりすごいということを表現したかったのでしょうね。

降三世印を結ぶ

胸の前で手を交差、小指を絡ませるという「降三世印」という独特の印相を結んでいます。

3つ(or 4つ)のお顔と8本の腕

お顔は三面か四面で、いずれも忿怒相(怒りの表情)。
正面のお顔には目が三つあります。

八本の手のうち、二本で降三世印を結び、残りの六本には剣、弓、矢などの武器を持っています。

トラの皮の腰巻き

身体にはトラの皮の腰巻き(虎皮裙:こひくん)をつけています。
トラのように強いということを表しているんですね。


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降三世明王像の実例

大自在天(シヴァ神)夫婦を踏みつけているので、基本的には立像となります。

福井 明通寺

幽谷の国宝 - 棡山 明通寺

像高約2.5メートルのとても大きな像です。
正面のお顔を見ると、口を開けています(珍しいそうです)。
忿怒相というよりは「だーはっはっは!」と豪快に笑い飛ばしてくれそうな印象を受けます。

トーハク「仁和寺と御室派のみほとけ」チラシに映っている降三世明王像部分を撮影

降三世明王(トーハク「仁和寺と御室派のみほとけ」チラシを撮影)

私は東京国立博物館で開催された「仁和寺と御室派のみほとけ」展で拝観したのですが、数歩後ずさるほどの迫力でした。

京都 教王護国寺(東寺)

天、菩薩、明王、如来|東寺 – 世界遺産 真言宗総本山 教王護国寺

東寺の講堂の立体曼荼羅を構成する「五大明王」のうちの一体が降三世明王です。

東寺の講堂では一気に21体もの仏像を拝観できるので、仏像好きには必見の場所です。

shishi-report-2.hatenablog.com

京都 醍醐寺

京都 醍醐寺 文化財アーカイブス|醍醐寺の国宝・重要文化財


こちらも五大明王のうちの一体が降三世明王。
シヴァ神を踏んでいるので右から二番目とわかりますね。

醍醐寺展のポスターの五大明王像部分を撮影した画像

五大明王像(醍醐寺展ポスターを撮影)


私はサントリー美術館にて開催された「醍醐寺展」で拝観したのですが、目玉むき出しの五大明王はインパクトがありました。
怖いというよりは、妙に励まされた気分でした。

shishi-report-2.hatenablog.com


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おわりに

ヒンズー教の神を踏みつける降三世明王。
日本では「いろんな神様がいる」という考えが浸透しているので、一瞬「えっ!?ほかの神様踏んでいいの?」とちょっと違和感を覚えておりました。

密教の成り立ち(@インド)を考えると、人々に広めるためには権威性を示す必要があったのだな、と理解しました。

仏教は、お釈迦様の教えをベースにしていますが、そこから長い時間をかけて、いろんな場所でいろんな発展の仕方をしてきているのだな、ということを降三世明王を通じて学んだ気がします。

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参考文献

仏像の見方ハンドブック-仏像の種類と役割、見分け方、時代別の特徴がわかる (池田書店のハンドブックシリーズ)

写真・図解 日本の仏像 この一冊ですべてがわかる!

イラストでわかる 日本の仏さま (文庫)

お経と仏像で仏教がわかる本【完全保存版】 (洋泉社MOOK)


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