仏像、ときどきワンダー観光

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【奈良】東大寺 千手堂(特別公開中~令和5年夏?頃まで)- 保存状態の良さに驚く鎌倉時代の千手観音

本記事は、東大寺の戒壇堂の西側にある「千手堂」の拝観記録です。
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 東大寺 戒壇院千手堂 特別公開

東大寺千手堂の拝観案内の看板を撮影した画像

千手堂 拝観案内の看板

戒壇堂の西側にある千手堂。

通常は非公開のお堂ですが、戒壇堂が耐震工事中のため、その代わりとして特別公開されています(令和2年7月~約3年間を予定)。
かなり貴重な機会のようです。

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千手堂へ向かう

東大寺境内の西側に進む。

階段の横に「千手堂」と案内がある

千手堂に向かう

この階段を上がると、まず戒壇堂があります。
工事中の戒壇堂を通り過ぎて、さらに西へ進むと、千手堂への門がありました。

戸の開いた門

千手堂の門

門をくぐると、左手にお堂が見えます。

お堂の前に木が茂っている

千手堂 外観

千手堂は、幾度も火災に遭っており、現在のお堂は2002年に再建されたもの。
たしかに、屋根の瓦が新しい感じがしますね。

千手堂手前の受付にて拝観料を支払い、靴を脱いでお堂に上がります。

千手堂の仏像

記憶を頼りに配尊図を描いてみました。

東大寺千手堂の仏像の位置を描いた図

千手堂 配尊図

みどころは
・千手観音菩薩立像
・鑑真和上坐像
・愛染明王坐像
です。

各像の詳しい感想を書いていきます。

千手観音菩薩立像

厨子に入っている千手観音像

厨子に入った千手観音と四天王 (外の案内看板を撮影)

お堂に入ると、正面の千手観音の華麗さにまず驚きました。

上の写真(※)で見ると、厨子の内扉の仏画がカラフルなので、そちらにも目がいきますが、実物を拝見すると、やはりご本尊の千手観音像が圧倒的魅力を放っておられました。
(※ お堂内は撮影禁止のため、看板を撮影したものです)

あまりにもきらびやかでお美しいので、江戸時代くらいのお像かな、とパンフレットを確認したら、なんと鎌倉時代!

皇室(後嵯峨天皇)からいただいたお像だそうです(なので、一般的な室内に置けるサイズ感なのでは、とのこと)。

800年近く経過しているとは思えないほどのきれいな状態、体表の金泥(きんでい)や、衣類の截金(きりかね)も残っており、とても驚きました。

千手観音を守っている四天王もかなり着色が残っています。

幾度もの火災に見舞われていますが、先人たちが「命に代えてでも守る」とその都度運び出して守ってきたそうです。

残念ながら厨子のほうは、1998年の火災で損傷してしまったので、現在の彩色画は復元(とはいえ、精密な写真が残っていたので、忠実に修復できたようです)。

鑑真和上坐像

鑑真和上像の載ったパンフレットを撮影

鑑真和上(パンフレットより引用)

鑑真さんは日本に授戒作法(仏の弟子になるための戒律を授ける作法)を伝えた唐のお坊さん。

12年間で5回も渡航に失敗、途中で失明しつつも、6度目の航海でやっと日本に到着。
鑑真さんといえば唐招提寺のイメージですが、東大寺におられたこともあるんですね(むしろ東大寺戒壇院を開いたという超重要人物)。

というわけで、鑑真さんのお像も安置されています。
唐招提寺のお像を模刻した木彫です(江戸時代 仏師:戒壇院三達)。

唐招提寺のお像より少し若々しい印象を感じましたが、お顔の写実性がすばらしい。
目を閉じておられますが、その分真実が見えていそうな目元。
口元も今にも動き出しそうな気さえしました。

愛染明王(あいぜんみょうおう)坐像

お堂の(ご本尊に向かって)左側には、愛染明王坐像。
詳細は不明ですが、鎌倉~南北朝時代に造られたお像のようです。

愛染明王といえば赤いお身体が特徴ですが、着色は落ちてしまっており、全体的に灰色な印象でした。
でも、これはこれで落ち着きがあって良いなと感じました。

肉付きがよく、表情がはつらつとしていて、眼の色が左右で異なる(確か緑と青だったか)のもきれいでした。
頭上に乗せている獅子(獅子冠)もかわいかったです。

地蔵菩薩立像

パンフレット等には詳しい記載がないのですが、千手観音と愛染明王像の間に地蔵菩薩立像も安置されていました。

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おわりに

通常は非公開のお堂なので、あまり期待せずに行ったのですが、千手観音がとても美しくて、うっとりしました。

拝観にはそんなに時間を要しないだろうと思っていたのですが、千手観音をずっと見ていたくて、なかなかお堂を離れられなかったです。

スタッフの方もいらして、詳しく教えてくださいましたので、いろいろ勉強になりました。