薬王菩薩(やくおうぼさつ)・薬上菩薩(やくじょうぼさつ)って?
薬王・薬上菩薩は、良薬を人々に与え、心と身体の病気を治した兄弟の菩薩です。
日本では、単独で祀られることはほぼなく、釈迦如来の脇侍をつとめています(※)。
(※)釈迦如来の脇侍としては「文殊菩薩と普賢菩薩」が多いですのが、古い形式では薬王・薬上菩薩を置くようです。
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薬王・薬上菩薩の特徴
薬壺(やっこ)や薬草を持つこともある
薬の入った壺や薬草を持つと言われますが、実際の仏像では、持っていないケースが多いのではないかと思われます。
釈迦如来の脇侍をつとめる
日本では、薬王・薬上菩薩は「釈迦如来」の脇侍をつとめます。
同じく名に「薬」の字が入る「薬師如来」の脇侍になってもいいような気がしますが、薬師如来の原型が薬王菩薩という説もあるようなので、そのあたりの事情が関係しているのかも??
「二十五菩薩」メンバー
二十五菩薩とは、阿弥陀如来が死者を迎えにくるときに、阿弥陀如来のあとにに続いてやってくる25体の菩薩(観世音菩薩や勢至菩薩、普賢菩薩も入っています)。
この25人組に薬王・薬上菩薩が含まれます。
薬王・薬上菩薩像の実例
日本では薬王・薬上菩薩のみで祀られることはほぼないので、釈迦如来との三尊像の例を挙げていきます。
あまり思い浮かばない(&少し検索しました)ので、作例は少ないかもしれません。
奈良 法隆寺 金堂
釈迦三尊像といえば法隆寺は必見。
中央に釈迦如来、脇侍に薬王・薬上菩薩という配置です。
shishi-report-2.hatenablog.com
奈良 興福寺 中金堂
興福寺の中金堂も、釈迦如来を中心に、両脇が薬王・薬上菩薩という配置になっています。
shishi-report-2.hatenablog.com
おわりに
良薬で人々を救ったという薬王・薬上菩薩。
釈迦如来の脇侍をつとめているのも、昔から人間が生きるうえで、病は切り離せないものだったからなのでしょうね。
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参考文献・サイト
仏像の見方ハンドブック-仏像の種類と役割、見分け方、時代別の特徴がわかる (池田書店のハンドブックシリーズ)
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