不空院(ふくういん)
どんなお寺?
・奈良時代、鑑真さんがお住まいだったとされる
・かつては八角円堂があった(空海さんの可能性)
・大正時代以降は女人救済のお寺としても
→境内に「えんきりさん」「えんむすびさん」
・春と秋に特別拝観あり
みどころ(特別拝観)
・白鹿を伴う不空羂索観音(本堂)ー「三不空羂索観音」のうちのひとつ
・宇賀弁才天女像(鎮守堂)ー宇賀神と弁才天が習合した珍しいタイプの弁天さま
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お寺までの道のり
JRもしくは近鉄奈良駅から市内循環バスに乗り、「破石町(わりいしちょう)」で下車。
新薬師寺の近くなので、新薬師寺を目印に歩いていきます。
ここをとりあえずまっすぐ。
市街地から新緑まぶしい山が見えるのも奈良の魅力だと私は思う。
しばらく歩いたら、ここを右折。
右折して少しあるくと、左手に不空院です。
拝観レポート
さて、こちらの門からお邪魔しましょう。
本堂
昔の八角堂(興福寺南円堂のひな型とされる)が建っていたところに、現在の本堂が建てられています(再建は大正時代)。
普段はお堂内には入れませんが、春と秋の特別拝観シーズンのみ拝観できます。
受付を済ませ、お堂内へ。
GW中だったので、参拝客が何人かいらっしゃいましたが、混雑というほどでもありません。
お寺のスタッフの方が、お像について詳しく説明してくださいました。
不空羂索観音(ふくうけんさくかんのん)
不空院のご本尊は不空羂索観音。投げ縄で全ての人を救ってくれる観音さまです。
「三不空羂索観音」のうちのひとつとされています(ほかは興福寺南円堂と東大寺法華堂)。
お像の手前に鹿さんがいるのが興福寺や東大寺のお像とは違うところ。
詳細:不空院 本堂の仏像 - 白鹿を伴う不空羂索観音
鎮守堂


最近完成したという鎮守堂(※特別拝観期間の土日祝のみ拝観可)には、宇賀弁財天女像が安置されています。
弁財天と日本古来の宇賀神が習合した形で、非常に珍しいお像です。
成し遂げるのが困難なことの扉を開く鍵をお持ちです。
詳細:不空院 鎮守堂 - 珍しい宇賀弁才天女像、持ち物の鍵に注目
えんきりさん&えんむすびさん
本堂の前にある小さなお社。
・えんきりさん(法竜大善神)
・えんむすびさん(黒竜大神・市杵嶋姫大神)
がまつられています。
縁切りと縁結びが隣り合っているのは一瞬びっくりしますが、「悪縁を断ち切ってから、新しいご縁を結ぶ」ということで、実は自然な配置なんですね。
不空院は、離婚が難しかった時代、苦しむ女性が駆け込む「縁切寺」としての役割も果たしてきたそうです。
狛狸?
後で写真を見て気づいたのですが……
えんきりさん&えんむすびさんの鳥居の両脇に、タヌキ?がいるではありませんか!!


狛犬ならぬ、狛狸?
お顔を見るとキツネ?とも一瞬思いますが、おなかのぽんぽこぽん具合を見ると、タヌキっぽいですね。特に吽形(口を閉じているほう)。
えんきりさん・えんむすびさんの間にある小さなお社にも狸のお像が安置されていたので、おそらくタヌキという認識で合っていると思います。
調べてみたところ、お腹が大きいのは妊娠していることを意味している、という説もあるようなので、女性の守り神的な面と関係していそうな気もします。
御朱印もいろいろ
特別拝観時期は、本堂内の左側スペースで御朱印がいただけるようでした。
お守りなども置いてありました。
宇賀弁財天さまの持ち物の「鍵」をモチーフにしたお守りもかわいかったです。
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時間など
・春と秋に特別拝観あり
※特別拝観期間の土日祝のみ、鎮守堂も拝観可
(それ以外の時期は境内の「えんきりさん・えんむすびさん」のみ参拝可)
・9時~17時(受付は16時半まで)
変更となる場合がありますので、公式サイトでご確認ください。
周辺の施設情報
・新薬師寺
shishi-report-2.hatenablog.com
・頭塔
shishi-report-2.hatenablog.com
・写真美術館