宝誌和尚(ほうしわじょう)
宝誌和尚は、昔の中国のお坊さん(418-514)。
お坊さんでありながら仏教の教えからは逸脱していたようですが、人の心を言い当てたり、分身してみたりと、不思議な能力を発揮したと伝わります。
日本にもエピソードが伝わり、「宇治拾遺物語」に記載されています。
3人の絵師が宝誌和尚の肖像を描こうとしたとき、「待った、本当の顔がある」と額を親指の爪で開き、内から菩薩の顔が出現したのだとか。
その様子を木彫で表したお像が京都・西往寺の「宝誌和尚立像(平安時代)」(※京都国立博物館に寄託)です。
私は奈良国立博物館の【特別展】「大安寺のすべて」でたまたま拝見することができました(なぜ大安寺展に出陳されたかというと、かつて大安寺にも同じ形のお像があったから)。
どこで見られる?
調べてみた感じだと、西往寺所蔵のお像が日本ではほぼ唯一といってよいのかなという印象でした。
現在は京都国立博物館が管理していますので、名品ギャラリー(平常展示)などに出陳されることがあります(※)。
※特別展開催時は名品ギャラリーは見学できないようです。
また、名品ギャラリーにおいても常に出陳されるわけではないので、お出かけ前に京都国立博物館サイトの「展示」からご確認ください。
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おわりに
内なる仏が出現する瞬間を捉えたお像、仏像ファンとしてはおさえておきたいお像。
インパクトがあり珍しいので、あまり仏像に興味がない方でも「へえ」となっておすすめかもしれません。
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