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【基礎知識】薬師如来とは? - 心のお医者さん的存在

薬師如来とは?

お釈迦様の姿を彫像にしたのが仏像の始まり。
その後、大乗仏教にともなっていろんなタイプの如来像が造られるようになりました。

そのうち、東方の瑠璃光浄土というところにいらっしゃるのが薬師如来。
「薬師」という名からわかるように、仏教界のお医者さん的存在です。
(「薬師」はサンスクリット語で「医者の長」という意味)

昔は医学が発展しておらず、今以上に病気が不安なものだったでしょうから、「何かにすがりたい」という気持ちを薬師如来像は受け止めてきたのだろうと思います。

ですから、「心のお医者さん」的な面が強かったのかもしれませんね。
「病は気から」という言葉があるくらいですし。


薬師如来像の特徴

基本形は「如来」なので、釈迦如来と共通するところも多々あります。

薬師如来のみに特徴的なのは、薬壺(やっこ)を持っていることでしょうか。
あらゆる病を治してくれる薬が入っている壺です。

(薬壺のイメージ)

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薬壺を持っていれば一発で薬師如来像だとわかりますね。

ただし、薬壺を持つようになったのは平安時代以降で、それより古い時代の仏像は薬壺を持っていないのです。
また、薬壺を持っていても、のちに失われてしまったケースもあります。

薬壺を持っていない場合、釈迦如来との区別が難しいのですが、お寺に伝承されてきた情報や、周囲に配置される他の仏像によって判断するようです。


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薬師如来像の例

三尊像

薬師如来は両脇に日光菩薩と月光菩薩を配して、三尊像で祀られているタイプがメジャーな気がするので、そちらをメインに紹介します。

奈良 薬師寺

薬師三尊像といったら、まずは奈良の薬師寺でしょうか。

奈良薬師寺 公式サイト|Yakushiji Temple Official Web Site


金銅製の仏像ですが、火災のときに表面の金がとけて、黒光りするお身体となっています。
大理石のような、つやつやとした質感に見えて、大変美しいです。

薬師寺名物でもある、僧侶の法話も楽しいのでぜひ聞いていただきたい。

ちなみに法話では、薬師如来がお医者さんとすると、両脇の日光菩薩・月光菩薩は看護師さんの役目、と伺いました。
日光菩薩さんのほうが日勤担当で、月光菩薩さんは夜勤担当なのだそう!
(体調が悪くなるのに時間は関係ないから、24時間見守ってくれている)

shishi-report-2.hatenablog.com

 

その他

・京都 東寺 金堂
・京都 醍醐寺
・奈良 法隆寺 大講堂
・奈良 興福寺 東金堂

などなど、薬師三尊像タイプはいろんなお寺で拝観可能です。

 
(過去記事)

shishi-report-2.hatenablog.com



 

十二神将に守られているタイプ

三尊像のカテゴリに近いのですが、薬師如来の周囲を十二神将という十二体の仏像が囲んで守護しているタイプも。

奈良 薬師寺

奈良には新薬師寺もあって、こちらも有名。
「新」とつくので新しいのかと思いきや、古いお寺(747年)です。

新薬師寺 公式ホームページ



新薬師寺の薬師如来像は、ふくふくとしたお顔立ちが特徴。
拝見しているとなんだか安心してくるので、「なるほど、これが薬師如来像の力か」と実感できます。

薬師如来をお守りしている十二神将も大変見ごたえがあります。
表情も動きもアクロバティックです。

JR奈良駅や近鉄奈良駅からは少々遠いので、混雑しておらず、落ち着けます。
(奈良公園や東大寺だけで帰ってしまう人が圧倒的に多いようなので、もったいないなーと思ってしまう。余計なお世話ですが)

 

shishi-report-2.hatenablog.com

 



おわりに

仏像観賞をしていると、薬師如来像はわりとよくお見掛けします。
それだけ人々が、「健康」を求めてきたのでしょうね。

参考文献

 

写真・図解 日本の仏像 この一冊ですべてがわかる!