千手観音(せんじゅかんのん)とは?
正式名称は「千手千眼自在菩薩(せんじゅせんげんじざいぼさつ)」。
その名の通り、千の手を持っているお方。
また、千の手には、それぞれ眼がついています。
(イメージ図)
つまり、千の眼で人々を見守り、千の手で救済してくれる仏です。
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千手観音の特徴
手がたくさん!
千の手をお持ちですが、仏像として表現される場合は、手は42本であることが多いです(25の世界を救う脇手が40本+通常の手2本で合計42本)。
作例は少ないですが、千本(に近い数)の手を持つ仏像もあります。
持物もたくさん!
千手観音は手が多い分、持物(じもつ)もたくさん持っていることが多いです。
一つ一つのアイテムを眺めるだけでもずいぶんと時間が経ってしまいます。
(各持ちものについて、詳しく知りたい方は>>>千手観音の持ちもの一覧 )
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お顔は十一面
十一面観音と同様、頭上に11のお顔を頂いていることがほとんどのようです。
眷属は二十八部衆
阿修羅など、二十八の眷属を従えているケースも。
(二十八部衆については別途、記事にしたいと思います)
千手観音像の実例
立像(立っている仏像)
京都 東寺 宝物館
東寺の宝物館にいらっしゃる千手観音像。
昭和の火災で一部が焼けてしまいましたが、元は手が千本あったのだとか。
像高は6メートル近くあって、迫力もあります。
東寺は京都駅からのアクセスも良いのでおすすめ。
拝観レポート>>>東寺 宝物館 - 火災から復活した千手観音立像
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奈良 東大寺ミュージアム
東大寺境内にある、東大寺ミュージアムの千手観音像は、ややふくよかなお方(本記事冒頭の画像)。
どことなく安心感を与えてくれるお像です。
両脇には日光・月光菩薩が位置しています。
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奈良 興福寺 国宝館
近鉄奈良駅から徒歩数分で行ける興福寺。
国宝レベルの仏像がたくさんおられ、仏像好きには外せないお寺です。
国宝館の千手観音像もなかなかの迫力です。
公式サイト>>>木造千手観音菩薩立像(せんじゅかんのんぼさつりゅうぞう) - 法相宗大本山 興福寺
奈良 唐招提寺
唐招提寺の千手観音もすごかった。
しばらく動けなくなりました。
腕は合計953本!
公式サイト>>>金堂 | 伽藍と名宝 | 唐招提寺
坐像(座っている仏像)
坐像は比較的少ないようですが、有名どころが揃っています。
大阪 葛井寺(ふじいでら)
千手観音といえば葛井寺!といってもよいでしょうか。
通常は秘仏で開扉日のみ拝観できるようです。
公式サイト>>>西国第5番紫雲山葛井寺〜国宝千手観音の寺〜 | 日本最初の千手観音
私は東京国立博物館にて開催された「仁和寺と御室派のみほとけ」にて拝観しました。
博物館ゆえ、比較的明るい照明のもと、背中側からも拝観でき、ほんとうに素晴らしかった。
手が1041本もあるのに、ごちゃつかず、けれども迫力はある(実際の像高は1メートル弱なのに、3~4メートルくらいあるように感じました)。
しかも、手の表情というか、表現が一本一本にあるんです。
「ほんとにすごかった」としか言いようがないです。
特別展で拝観したときの記録>>>【東京国立博物館】仁和寺展② - 1041本の手を持つ、葛井寺の千手観音
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京都 三十三間堂
(以前行ったことがあるのですが、当時は若者で、仏像に詳しくなかったので、ほとんど覚えていません……(汗)
今行ったらテンション上がって仕方がないだろうな。
歳をとってから理解できるようになる趣味もあるから、人間っておもしろいですね)
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おわりに
千手観音の特徴を見ていくと、「ご利益全部詰め込んだ!」的なお姿ともいえそうですね。
仏像としてのパワー(すべてを救う存在)も、見ごたえも満点です。
荘厳で、インパクトも強いので、「仏像のことはまだよく知らない」という方に、仏像観賞の第一歩としておすすめかと思います。
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参考文献
仏像の見方ハンドブック-仏像の種類と役割、見分け方、時代別の特徴がわかる (池田書店のハンドブックシリーズ)