仏像、ときどきワンダー観光

おもに仏像のこと。不思議スポットやふつうの観光の話もたまにします

【大阪】藤田美術館 - 仏教美術・茶道具・庭園、コンパクトに日本のいいもの揃ってる

藤田美術館

藤田美術館

どんな美術館?

・明治期に活躍した実業家、藤田傳三郎親子のコレクションを展示
・仏教美術と茶道具が展示のメイン
・建物も庭園も美しい
・曜変天目茶碗が有名(※)
(※展示は定期的に変わるため常設ではありません)

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観覧レポート

大阪城北詰駅から徒歩数分。
2022年にリニューアルオープンしたので、新しくてとてもきれいな建物。

藤田美術館外観

ちなみに並んでいるの方々は入館待ちではなく、併設のカフェで注文待ちをしている方々。

入館受付もわりと斬新

展示室の入口の前にスタッフさんが立っているので、声をかけて受付をします。
(ブースとかテーブルもないので、ちょっと戸惑いました。)

キャッシュレス推奨とのことで、スタッフさんが持っているICカード端末にクレカを挿入、決済する仕組みでした。

決済が終わると、QRコードから展示物の説明用のサイトに接続。

ここまでペーパーレスに徹底している美術館はまだ珍しいと思うので、戸惑いつつも、「時代は進んでいるなあ」感を覚えました。

スタッフのお兄さん、たぶん一日に何百回?も同じ対応しているのだろうけど、優しくて丁寧でした(最近の若い子って全体的にみんな優しいですよね?みんなありがとう)。

展示室へ

祝日でしたが、混雑もしておらず、落ち着いた空間。

スマホのみですが、展示品撮影OKとのこと(普通のカメラはNG)。
日本の美術館博物館って、基本撮影ダメでしたけど、このへんも最近かなり変わってきていますよね。

展示品はざっくり分けると「仏教美術」と「お茶の道具」。
仏画仏像中心に紹介していきます。

仏教美術など

廃仏毀釈のときに海外に流出してしまうのを懸念し、収集していった仏教関連の美術品たち。

こちらは十二天が描かれた屏風。

十二天が描かれた屏風


以前、奈良博の特別展で観たときも衝撃を受けた「小野小町(卒塔婆小町)」↓。

卒塔婆小町

謡曲の一場面を表現しているそうですが、この老女、かつて美女として名を馳せたとされる「小野小町」(※小野小町が美女だったかは諸説あるようですが)

なんかもう、「乞食の老婆」のリアリティが凄まじすぎて……。

年老いた女性って、今の時代よりもよほど生きづらかったでしょうから、なんだか勝手に苦しい気持ちになってしまいました。


続いて、木彫神像三体。

神像

神様が仏像として表現されたバージョンですね。

仏像好きとしてはおなじみの四天王。

四天王のうち一体

(写真撮影ミスって一体しかうまく撮れていなかった)

展示物は一般的な美術館よりもかなり少なかったです。
雰囲気とかを楽しむスタンスですね。

展示室を出た

展示室を出ると、蔵だった時代の窓が。

窓が外の景色のための額縁みたいになっていますね。
有名な映えスポットなのか、若者が入念にポートレート?撮っていました。

建物を出ると庭園につながっています。

一旦建物を出る

旧藤田邸庭園

多宝塔

美術館を出てすぐ出現の多宝塔。

多宝塔

高野山高臺院(こうだいいん)から移築した建物です。

自宅の庭にお寺の建物移築するなんて、スケールが大きすぎて想像もつきませんよね。

庭園側に回ってみるとまた表情が異なります。

多宝塔 庭園側から

ちょうどちらほら紅葉が始まっていて、遠目に見てもきれい。

多宝塔 遠くから
茶室

茶室

伝統的な茶室。
竹が生えていて、外国の方とか好きそうな雰囲気。
インバウンド向けの戦略でリニューアルしたのかな(たしかに正解だとは思う)。

美術館の壁に葉っぱの影。

美術館の壁

水墨画っぽくてなんとなく絵になる。

庭園を散策

せっかくなので、庭園を少し歩いてみます。

歩いてみる

紅葉がきれい

個人の邸宅のお庭にしては異常に広いですが、ちょっとぐるっと歩くのにちょうどいい感じの広さ。

池まである。

池もある

高いビルが見えるのはやはり大阪だなあ、と。

旧庭園から

とにかく紅葉がきれい。いい時期に来ました。

紅葉

この日はたまたま気候もよかったので、気持ちがよかったです。

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おわりに

仏教美術あり、茶室あり、庭園あり。
「日本文化をサラッと説明するのにちょうどいい美術館」だと感じました。

大阪城からも近いし、もし外国の友人が観光に来る、なんてシチュエーションがあればここを案内するかもなあ、と思いました。

11月下旬、ちょうど紅葉のシーズンで庭園もきれいでした。
祝日でしたがそこまでの混雑もなく、穴場かもしれません。