仏像、ときどきアート

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【平泉】中尊寺② - 讃衡蔵では騎師文殊菩薩・金色堂では仏像の独特な並び方に注目

中尊寺①の記事では讃衡蔵・金色堂にたどり着くまでに見学したお堂・仏像などの感想を記しました。

本記事は、讃衡蔵と金色堂についての感想です。


讃衡蔵へ

まずは拝観券を購入(800円。金色堂もこれで拝観できます)。

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讃衡蔵



丈六仏

讃衡蔵に入館するとすぐ、3軀の丈六仏(じょうろくぶつ)が迎えてくれます。

丈六仏とは、立っている状態で高さが「一丈+六尺=十六尺=約 4.85 m」の仏像のこと。
讃衡蔵に安置されている仏像は座っている像(坐像)ですので、およそ半分の高さ(2.4 mくらい)になりますが、坐像でも丈六仏と呼ぶそうです。
ちなみに、丈六仏より大きいと「大仏」と呼ばれます。


向かって左から、「薬師如来坐像(閼伽(あか)薬師)」、「阿弥陀如来坐像」、「薬師如来坐像(峯薬師)」という並びでした。
3軀を簡単にご紹介。

薬師如来坐像(閼伽薬師)

閼伽堂(現在は跡地)に置かれていたため、閼伽(あか)薬師とも呼ばれています。
少し微笑んでいるような表情に見えました。


阿弥陀如来坐像

昭和30年まで、本堂の御本尊だったそうです。
両隣の薬師如来に比べると、少し面長の印象。

薬師如来坐像(峯薬師)

峯薬師堂(中尊寺①の記事を参照)に安置されていたそうです。
光背がコスモス(蓮の花かもしれません)の花のような形をしていて、「こんなかわいらしい光背があるんだなぁ」と思ったのでした。


坐像とはいえ、2メートル以上ありますし、三体の大きさが揃っているので、かなり見ごたえがありました。

 

千手観音菩薩立像

手が32本のタイプの千手観音。
光背は光を直線で表したような感じで、シャープな形です。
シンプルですが、インパクトがありました。

千手観音といったら、いろんな持物を持っているのが特徴。
持物を見ているだけでも飽きません。
なかでも髑髏(ドクロ)は目立ちますよね。
それを観た、お子さん連れのママさんたちが「スカル持ってるやん!」とおっしゃっていました。

(ス…スカル!! そうか、英語だと髑髏ってスカルか。斬新!)
と思ってしまった私でした。

「スカル」と言うと、急になんだかおしゃれな感じ…というか、(どちらかというとワルめの)若者の感じがしてくるので、目の前の千手観音とのギャップで、ちょっと笑いそうになったのでした。

こういうハプニング(とまではいきませんが)的なことも楽しいです。

騎師文殊菩薩と四眷属像


騎師文殊菩薩は、そもそも獅子に乗っているところが好きです。
(※獅子に乗っているので騎獅かと思いきや、騎師なんですよね。獅子は尊い動物なので、獣ではないということで、けものへんを除いて「騎師」と書くのだそうです)

獅子好きとしては、この獅子がどんな表情をしているかを見るのが楽しみの一つだったりします。

讃衡蔵の獅子は、口を「がおー」という感じでけっこう派手に開けています。
ですが、目がコロっとしているので、全体的にかわいらしい印象でした。
そんな獅子の背上の文殊菩薩が涼やかで理知的な表情をしているのもまた、いいですよね。

騎師文殊菩薩を取り囲むのは、優塡王(うでんおう)、善財童子(ざいぜんどうじ)、婆藪仙人(ばすうせんにん)、仏陀婆利(ぶっだばり)、の四眷属。

四天王とか十二神将とかもそうですが、何体も集まっていると、迫力が増しますね。

財善童子は(年代的に)新しい感じがしたのですが、12世紀の作品と記載されていたので、驚きました。
修復もしているのでしょうが、状態が非常に良いと感じました。


内部は撮影禁止なので、写真は撮っていないのですが、金色堂や讃衡蔵のライティングに関する記事(PDF)を発見しました。

丈六仏や千手観音、騎師文殊菩薩の写真が見られます!

東芝ライテック株式会社 電設ガイド 2013-7 No.171

https://jirei.tlt.co.jp/pdf/171chuso.pdf

東芝ライテック株式会社のホームページからもダウンロードもできるようです(あくまで照明屋さん向けの記事ですが)。

関山中尊寺金色堂・讃衡蔵(さんこうぞう) 照明改修プロジェクト「世界遺産維持・継承の試み」|納入施設例データベース|東芝ライテック(株)

中尊寺経

仏像以外の展示物も必見です。

紺地の紙に、金色の文字で綴られた中尊寺経は国宝。
色合いがとてもきれいでした。

金色堂

讃衡蔵を見学し終わったら、いよいよ金色堂へ。

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金色堂

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パンフレット

金色堂内へ足を踏み入れると、平泉観光パンフレットでもおなじみの、金色の世界が広がっていました。

ガラスの囲いの中に、ずらりと並ぶ仏像たち。

金ぴかではあるのですが、想定していたほどのまぶしさではなく、少し落ち着いたトーンで、これがまた素敵だな、と思いました。

須弥壇の中央には藤原氏初代清衡公、向かって左に二代基衡公、向かって右に三代秀衡公と四代泰衡公のご遺体(泰衡公は首級)が納められているそうです。

要するにお墓なのですよね。

各須弥壇上の仏像の並び方がこれまた変わっています。
中央に阿弥陀如来、その両脇に勢至菩薩と観音菩薩、その左右に3体ずつ計6体の地蔵菩薩、手前に持国天と増長天、という並び。
(この並び方は中尊寺の金色堂独特らしいです)

特に、阿弥陀&脇侍を6体の地蔵菩薩が挟むというのは初めて見ました。
持国天&増長天も、四天王として4躰セットで安置されるのが一般的ですよね。


また、須弥壇を囲むように四本の柱が立っているのですが、螺鈿細工、蒔絵、彫金などが施されていて美しいこと。

お堂内に流れていたアナウンスによると、この四本の柱には48体の菩薩が表されているのだとか(混雑していたので、そこまでは確認はできなかったのですが…)。


ずっと観ていたかったのですが、混雑していますし、またお堂独特のひんやりした空気で身体が冷えてきてしまって(十月中旬とはいえ、東北は冷えますね)、後ろ髪をひかれながらも金色堂をあとにしたのでした。

 



この後は経蔵や旧覆堂へ。 

 




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