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【基礎知識】大日如来とは? - 毘盧舎那仏がさらに発展した密教最高位の存在

大日如来とは?

大日如来の本来のお名前は「摩訶毘盧舎那如来(まかびるしゃなにょらい)」。

「摩訶」は「大きな」「偉大な」という意味ですので、毘盧舎那仏(びるしゃなぶつ)がさらに発展した存在となります。

(毘盧遮那仏について)

shishi-report-2.hatenablog.com

 
毘盧舎那仏は、真実の教えそのものを実体化した仏像ですので、大日如来もまた、「仏法そのもの」を表す仏像、というわけですね。

他の如来や菩薩は大日如来が姿を変えたものとされ、「あらゆる仏像の根源」という位置づけです。


大日如来の特徴

・ほかの如来像とは違って、アクセサリー(宝冠、瓔珞(ようらく:ネックレス)、臂釧・腕釧(ひせん・わんせん:ブレスレット))をつけています。
王者の姿で表わされることが多いようです。

・髪型は螺髪(らほつ)ではなく、長い髪を結いあげた髻(ほうけい)と呼ばれるスタイル。

・密教では「金剛界」と「胎蔵界」があるのですが、金剛界の大日如来は智拳印(ちけんいん)を、胎蔵界の大日如来は法界定印(ほうかいじょういん)を結んでいます。

智拳印は金剛界大日如来のみが結ぶ印相。
「最高の悟り」を意味します。
(智拳印イメージ)

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法界定印は禅定印(ぜんじょういん)と呼ぶこともあり、釈迦や千手観音菩薩も結ぶことがあります。
座禅とのきに結ぶスタイルですね。
(法界定印イメージ)

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大日如来像の例

大日如来像は、日本では平安時代から造られるようになったそうです。
英知を極めて不動なので、立っている像(立像)はありません。

奈良 円成寺

大日如来像といえば、円成寺蔵のお像(国宝)が浮かびます。
天才仏師、運慶さんの、若い頃の作品です。

忍辱山 圓成寺


私は2017年に開催された「運慶展」で拝観しました。
たしか「デビュー作」的な説明があったような。

当時抱いた感想は「いわゆる運慶さんっぽさ(無著・世親菩薩などに代表されるような生きている感じ)はあまり感じられないかな」というものでした。

青年期の作品ということで、自分らしさよりも「お手本」に忠実に彫ったのかもしれない、というようなことを思った記憶があります。


京都 東寺

東寺の講堂に展開されている立体曼荼羅。
その中央、「五智如来」の中心として大日如来さんが安置されています。

立体曼荼羅|東寺 – 世界遺産 真言宗総本山 教王護国寺


何もかも見通しているような目で見つめられると背筋がピンとなります。
光背の化仏たちもすごい。
構造的にどうなっているんだ?

(実際に拝観したこともありますが、お堂がかなり暗く、あまり細かいところは確認できなかった記憶が。
しかし、お堂全体、立体曼荼羅全体が醸す雰囲気にゾクゾクしました)

shishi-report-2.hatenablog.com

 
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おわりに

「大日如来」というお名前はよく聞くのですが、仏像観賞ではあまりお目にかからないような……

いや、単に認識できていなかっただけかな。

というわけで見分け方おさらい。

・智拳印を結んでいたら、(金剛界)大日如来
・法界定印を結んでいて、アクセサリーをつけていたら、(胎蔵界)大日如来

アクセサリーや髪型などは菩薩にも近いので、判断に迷ってしまいそうな気もしますが、菩薩のうち法界定印(禅定印)を結ぶのは、千手観音のみのようなので、そこで見分けられそうです。

参考文献

 

お経と仏像で仏教がわかる本【完全保存版】 (洋泉社MOOK)
 
写真・図解 日本の仏像 この一冊ですべてがわかる!