行基(ぎょうき)
行基さんは飛鳥~奈良時代にかけて活躍したお坊さん。
東大寺の大仏造立の責任者として有名で、とくに奈良では大変親しまれている存在。
大仏のみならず、たくさんの寺院、橋、貯水池、港など、社会インフラも整備しました。
詳しい特徴を見ていきましょう。
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行基像の特徴
行基さんのお像はお坊さんの姿で表わされ、「ココ!」というポイントがあまりなく……。
(※)お坊さんの像も、意外と各人にそれぞれ特徴がある(例えば空海はあごががっちりしていて金剛杵を胸に当てるとか)ものなのですが。
行基像の特徴をあえて挙げるなら「主に奈良に所在している」ということでしょうか。
行基像の実例
立っている像(立像)
近鉄奈良駅前(ブロンズ像)
近鉄奈良駅前の行基さんは、渋谷でいうところのハチ公的ランドマーク(まあ、周辺の混雑ぶりは全然ちがいますが……)。
昭和44年に、駅前ひろばが整備されるのを機に置かれ、2023年現在のお像は三代目(彫刻家・中西重久氏の作・ブロンズ)だそうです。
東大寺の大仏殿のほうを向いて立っておられます。
奈良 霊山寺(りょうせんじ)
近鉄奈良駅前の初代・行基像(赤膚焼・大塩正人氏作)を造ったとき、壊れた場合に備えてスペアを2体つくったそうです。
そのうちの一体が霊山寺(行基さんが開基したと伝わる)に寄贈。
バラ園も有名な大きなお寺です。
奈良 九品寺(くほんじ)
初代行基さんのスペアとして造られたもう一体は九品寺(行基さんが開基したと伝わる)に。
9月には彼岸花も絶景のお寺。
公式サイトが見当たらなかったので御所市のサイト>>>九品寺 | 御所市
大阪 家原寺(えばらじ)
家原寺は行基さんが生家をお寺にしたのが始まりとされます。
文殊菩薩を本尊としているので、合格祈願で有名。
境内に行基さんの銅像が立っています。
座っている像
奈良 喜光寺(きこうじ)
喜光寺は、行基さんが晩年を過ごしたお寺。
現在は行基堂にお祀りされています。
(非公開?)奈良 唐招提寺
お寺のサイトを拝見しても詳細不明のため、一般公開はされていないようです。
奈良 東大寺 行基堂
おおっぴらに公開されているわけではない(開扉日もなし)なのですが、小窓が開いているときはそこから内部をのぞけて、行基さんのお姿を拝見できるようです。
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おわりに
庶民に直接布教することが禁じられていた時代でしたが、人々に広く仏教を広めた行基さん。
朝廷から弾圧されても、それにひるむことなく寺院建立やインフラ整備などをぐんぐん進めていき、民衆から支持され、最終的には聖武天皇から大仏建立を頼まれるほどに。
ものすごく仕事のできる人だったのでしょうね。
全国的な知名度は高くないかもしれませんが、奈良をはじめとする近畿圏ではいまも存在感の大きなお坊さんです。
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参考サイト
「行基さん」近鉄奈良駅前に半世紀 実は初代の“生き写し”が2体…会いに行った | 毎日新聞