青銅器館
青銅器館の特徴
・中国古代の青銅器を展示
・古美術商の坂本五郎氏の寄贈品
・わからないなりに観ていると面白さに気づく
どんな青銅器が展示されている?
実は私、青銅器って、全く知識がなかったんです(今もそう)。
歴史の教科書で青銅器の写真を見たことがあるくらいのレベル。
それでも、わからないなりに眺めていると、けっこうおもしろくなってくるものですね。
青銅器は色味が同じなので、最初は「ほとんど同じに見える」のですが、実際はかなりデザインなどにもこだわりがあるとわかってきました。
つくった人のこだわりが見えると、感動したり嬉しくなるのは、他の美術品や仏像と同じです。
超初心者なりに「おっ」となった展示を紹介します。
立体装飾がすごい、鳳凰文卣(ユウ)
青銅器館のエースという感じの、鳳凰文卣。
卣(ユウ)とは、お酒などの液体を持ち運ぶための、提げ手のついた容器のこと。
「鳳凰文卣」を現代風に言い換えると、「鳳凰の模様がついたお酒の壺」といったところでしょうか。
高さ51.4 cmですので、けっこう大きいです。
青銅ゆえ、ただでさえ重いのに、ここにお酒を入れたら運ぶのかなり大変だったんじゃなかろうか(あくまで美術品、儀式用なのかな)。
器のあちこちから飛び出ている立体装飾が見もの。
個人的な感想として「ハウルの動く城っぽいな」と思いました。
おしりが三つあるように見える!? 鬲(れき)
(鬲のイメージ)
鬲(れき)は、
・3つの足
・器身から足全体が袋型
という特徴をもつ炊器。
足全体が袋型になっているとのことですが、私にはおしり(のかたほう)が3つ集まっているように見えてしまいました。
なんとも愛嬌のある形で、かわいらしいです。
手を清めるのための盤(ばん)&匜(い)
(盤と匜のイメージ)
匜(い):手を清めるための水を入れる器
盤(ばん):匜から注いだ水を受ける器
というわけで、持ち運べる洗面台、といったところでしょうか。
水を入れる器の「匜(い)」ですが、その形がどうにも内臓の「胃」に似ている気がするんですよねぇ。
脚がついているので、動物っぽさもある。
ブリューゲルあたりの奇想絵画に描かれていそうなフォルムが気に入りました。
カニのようなカエルのような? 鼎(てい)
(鼎 イメージ)
鼎(てい)とは、お肉などを煮るための煮食器。
コロンとしたフォルムがたまらない。
器についている足や持ち手が、よりいっそう生き物感を強くしていますよね。
カニのようなカエルのような……。
巨大化したらウルトラマンの宇宙人役で登場しそう。
実物の写真のほうがよりカエルっぽいです。
参考情報
青銅器館へ行くには、まず、なら仏像館に入館してください。
なら仏像館の11室から渡り廊下が伸びていますので、そこを渡ると青銅器館です。
広くはないですが、ワンフロア中に青銅器が展示されています。
時間があまりない場合や、仏像や特別展メインの方は、青銅器館は省略してもよいかも、と思います(フルに見ると疲れるので)。
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