東京国立博物館のおすすめ仏像スポット、本館1階11室。
4~8週間ごとに展示替えを行っているので、訪れる度に仏像のラインナップが変化しています。
本記事では2018年12月に観覧した仏像を紹介します。
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2018年12月初旬の展示(抜粋)
菩薩立像
本館1階11室に入るとすぐに迎えてくれるのがこちらの菩薩立像(撮影禁止マークがあるもの以外は撮影可でした)。
鎌倉時代の彫刻。
『東京国立博物館ニュース』の表紙を飾ったこともある仏像です。
装飾がゴージャス、けれども優雅な表情で、心が落ち着きます。
こちらも鎌倉時代の菩薩立像。
ウエストの細さに驚きますね。
十一面観音立像
十一面観音立像は11室に全部で4軀、展示されていたのですが、撮影可能なのはこちらの像だけでした。
他の十一面観音立像は
○奈良・秋篠寺蔵(9世紀)重文
○奈良・薬師寺蔵(10~11世紀)
○奈良・小嶋寺蔵(9世紀)
このうち、薬師寺蔵と小嶋寺蔵の二軀が、11室奥(12室側)のステージ的な空間に展示されていました。
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広目天(こうもくてん)立像
四天王のうち、西を守護する広目天。
広目天といったら、筆と巻物を持っているのが一般的だと思いますが、こちらの広目天は羂索(けんさく:金属のついた縄)と戟(げき:先がフォークのようになっている武器)を持っています。
光背も燃え上っているし、憤怒相だし、「明王」に近い雰囲気。
筆&巻物を持つ広目天も知的な感じがして好きですが、猛々しい感じの広目天も迫力があっていいですね。
四天王について詳しく知りたい方は>>>【基礎知識】四天王とは? - 東西南北に立ち仏教を守る四人組
愛染明王坐像(あいぜんみょうおうざぞう)
人の愛欲を浄化する仏、愛染明王。
三つの目と六本の腕を持ちます。
奈良にあった内山永久寺(絶廃)に伝わったもの(13世紀の作品)。
愛欲を表すという真っ赤な身体は、華やかというか、派手というか、目をひきますね。
頭部をアップします。
キリッとした、若々しい、少年風のお顔。
私が特に注目するのは、頭に載せている獅子冠です。
まず思ったのは、獅子が大きい、ということ。
横幅に関していえば、愛染明王のお顔とさほど変わらない!
他の愛染明王の獅子冠はもう少し小さかったような(何体も観たことがあるわけではないので、印象ですが)。
またこの獅子の表情がいいですよね、どこか人間っぽい感じで。
(昔、人面魚なる魚が大フィーバーしたことを思い出しました)
慈恵大師坐像
高僧彫刻(偉いお坊さんシリーズ)です。
慈恵大師(良源)は比叡山を発展させた方。
観音の化身としても信仰を集めたのだとか。
だから慈恵大師像の彫像はたくさん残っているのでしょう(木彫35体、うち11体は重要文化財→高僧彫刻のなかでは最も多い - Wikipediaより)。
そして、この慈恵大師、おみくじの創始者といわれているんだとか!
おみくじって、よく考えられたシステムですよね。
お寺にとって貴重な収入源であるばかりか、教えを載せておくこともできるし、かといって仰々しくないから、参拝する方も「運試し」として楽しめる。
実利とエンターテインメント性を備えたものだと思います。
だからこそ、千年以上経ってもなくならないだろうと思います。
(私もおみくじ大好きで、見かけたらすぐ引いてしまいます)
慈恵大師、アイディアマンだったのでしょうね。
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おわりに
東京国立博物館は、訪れる度に展示が変わっていて、毎回見ごたえがあります。
博物館ならではの、照明の感じとか、影の出方などにもご注目ください。
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