無著(むじゃく)・世親(せしん)菩薩とは?
無著・世親菩薩は、5世紀ころのインドで活躍したお坊さん兄弟。
お経をいくつも書いている、学者さんでもあります(学僧とよばれる)。
無著のほうがお兄さん、世親のほうが弟です(ちなみに、さらに三男の弟さんもいたらしい)。
詳しい特徴を見ていきましょう。
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無著・世親菩薩像(興福寺)の特徴
日本での彫像例は、おそらく興福寺の例がほぼ唯一と思いますので、興福寺のお像について解説しています。
運慶工房の最高傑作
天才仏師・運慶率いる工房によりつくられました。
運慶指導のもと、息子の運助が無著を、運賀が世親を担当したとされています(興福寺公式サイトより)。
仏像としても素晴らしいのですが、写実性がすさまじく、彫刻としても評価され、日本肖像彫刻の代表作といわれます。
無著菩薩
当ブログのほかの記事でも書きまくっているのですが、本当に今にも動き出しそうなのです。
ほほ笑んでいるわけではないのに、どこか優しさを感じるまなざし。
玉眼に照明が反射すると、きらっと光って、まるで意志も持っているかのよう。
世親菩薩
弟さんなので、無著よりも少し若々しく表現されています。
体型もややがっちりめな印象を受けました。
遠くを見やるようでいて、真理を見通していそうな視線が印象的です。
興福寺ではいつ拝観できる?
無著・世親は興福寺の北円堂というお堂に安置されています。
北円堂は通常は非公開ですが、春と秋の特別拝観時期に開扉されます。
拝観レポート>>>興福寺 北円堂(春・秋に開扉) - 「無著・世親菩薩」は何度観ても感動
shishi-report-2.hatenablog.com
詳しい日程は興福寺公式サイトでご確認ください
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おわりに
お像なのに、心が揺さぶられるような「動」を与えてくれる無著・世親像。
私にとっては、思い入れのある仏像10選のひとつでもあります。
運慶工房をはじめ、長年守ってきてくれた方々、手を合わせてきた方々にも感謝してしまう、そんな気持ちになるお像です。
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☆一覧で表示>>>仏像の種類一覧
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参考文献
仏像の見方ハンドブック-仏像の種類と役割、見分け方、時代別の特徴がわかる (池田書店のハンドブックシリーズ)
興福寺公式サイト>>>https://www.kohfukuji.com/property/b-0037/