仏像、ときどきワンダー観光

おもに仏像のこと。不思議スポットやふつうの観光の話もたまにします

【仏像】東大寺 四月堂 - こんなところに普賢菩薩騎象像!(ご本尊は十一面観音立像)

東大寺 四月堂(三昧堂)

四月堂 外観

どんなお堂?

・旧暦の4月に法華三昧会が行われたことにちなみ「四月堂」
・現在のご本尊は十一面観音
・象に乗る普賢菩薩騎象像(※)も祀られている
 (※こちらがご本尊だった時代もある)

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拝観レポート

二月堂、三月堂(法華堂)は有名ですが、四月堂は行ったことがないという方も多いのでは。

四月堂は、法華堂の向かいに位置する比較的小さなお堂。

四月堂

創建は1021年(1067年説もあり)と記録されています。
現在のお堂は江戸時代(1681)に建てられたものですが、鎌倉時代の古材も使われているそう。

なんと拝観は無料です。
ご本尊は十一面観音さまですが、象に乗る普賢菩薩さんも必見です。

配尊図

東大寺 四月堂 配尊図

(※向かって左のお像は詳細不明だったのですが、螺髪などで如来であることはわかったので暫定的に「如来立像」としています)


正面におられるは十一面観音立像。
両隣に薬師&阿弥陀如来がおられます(薬壺と阿弥陀定印で判断)。

そして驚いたのが、象に乗る普賢菩薩さんがいらっしゃいました。

(参考:普賢菩薩とは? - 白象に乗り、あらゆる場所に救済に来てくれる仏 


文殊菩薩とコンビを組んで釈迦如来の脇侍をつとめることも多い普賢菩薩(”知恵の文殊”に対して、”行動の普賢”)ですが、単独で祀られている例は少ないのです。

普賢菩薩像を拝観できるお寺自体が少なめで、博物館の特別展などで拝見することのほうが多いというレアさ。

なので「普賢菩薩さんってあんまりお会いする機会ないんだよなあ」とぼんやり思っていたので、「まさか有名どころの東大寺にいらっしゃったとは!」と個人的に驚きました。

お厨子に入っているので、上のほうはやや見えにくい感じもあるのですが、象はしっかり見えました。

たまたまお経がはじまる

普賢菩薩像がわりと人気だったので、順番待ちをしていたら、お堂にお坊さんが登場、お経が始まりました。

御祈祷の場合は、申込者がおられるわけなので、部外者の私が同席していいものかわからず、なんとなくその場を離れることにしているのですが、どうやら通常の(定刻に行われる)お経のようだったので、そのまま同席させてもらいました。

仏像たちの前で聞くお経、とても心が落ち着いて、いい時間を過ごせました。

あまりにも観光地化しすぎた東大寺(※)で、まさかこんな「(いい意味で)普通のお寺っぽい」感じを得られるとは!と意外な喜びでした。

(※東大寺のことを悪く言っているのではなく、人が多すぎるという意味)

おわりに

四月堂は、こぢんまりしたお堂ですが、いい意味で東大寺っぽさがなく落ち着いた空間でした。
混雑のなかでもホッとでき、仏像たちにも会えます。

東大寺のほかの仏像

・法華堂

shishi-report-2.hatenablog.com


・中門

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・境内全体レポ

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